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製作国
中国
監督
ダニエル・リー
出演者
ウィリアム・フォン
フー・ジュン
ジン・チェン
ワン・チンシアン
今回は中国アクション映画刺客(原題:青面修罗/Song of the Assassins)感想。
見所はあまりにもカッコいい特撮ヒーロー感あるアクション。
そして、そのノリに対して暗殺によって救われる物というテーマを盛り込み深々と降る雪の中で描かれるドラマのギャップの良さがある映画となっています。
美しい雪の中で講じられる策と命の奪い合いにはどこか感じ入る物があると思いますよ。
ジャンルはアクションで上映時間は約118分となります。
初志貫徹の信念、そしてそれを破った物に対しての報いという一貫したテーマが魅力です。
・“修羅の腕”というギミック付きの義手を駆使したアクション
・仮面の中で描かれるブレない一貫した信念の主人公と二面性の家族の物語
目次
あらすじ
暗殺が世を動かしていた混乱の時代。覇権を勝ち取るため宝の在処が記された地図をめぐって東桑と南陵の間で争いが起こり、それぞれの思惑が交錯。最強の暗殺集団である離恨谷も争いに巻き込まれていく。その離恨谷が誇る四大刺客の1人“青の修羅”ユアンは、地図が原因で虐殺された一族の仇を討つため、幼い頃から厳しい修行を積み、谷で随一の実力を備えるまでに成長する。一族の復讐を果たす機会をうかがっていたが、掟を破り仲間を殺したという濡れ衣を着せられ、谷から追われる身に。次々と迫りくる追っ手と戦うなかで、彼は自身が巨大な陰謀に巻き込まれていることに気が付く・・・。
dTVより
登場人物
・ユアン
離恨谷四大刺客の1人、“青の修羅”
幼い頃に師の鬼愁半官の薦めで谷に入り第20代刺客の1人となった
神器“修羅の手”の使い手
一族が滅んだ原因の地図が見つかったと知り復讐のために行動し、谷から裏切り者として追われることになる
・シェンシェン
チョウ暗殺の騒ぎの時にユアンと出会う谷の暗殺者
子供の頃に親に捨てられ離恨谷に来た
・金鑼太歳
離恨谷の主
腕を失ったユアンに神器“修羅の手”を授けた
武器ではなく策を用いて暗殺を行う
・鬼愁半官
離恨谷の暗殺者でユアンの師匠
鬼頭刀の使い手
ユアンの意思を汲み取り陰から手助けする
・チョウ・チャアン
東桑の近衛軍頭領
寡黙な人間で“物言わぬ狼”と呼ばれている
王の密命で宝の地図を取り戻すために辺境市へ赴く
・ホア夫人
南陵王妃で仏教徒
地図をグーに手に入れさせユアンを引き入れようと画策する
・チャイ・シェン
東桑王
部下の手紙などを複製し全てに目を通している
・チャイ・カン
東桑親王でチャイ・シェンの弟
離恨谷にチョウの暗殺を依頼する
・メン・シュー
南陵王
・グー
辺境の領主
強欲な男で宝の地図を確保しており各国に狙われる
・白無常
離恨谷の暗殺者
谷の掟を破ったユアンを追う
・黒無常
離恨谷の暗殺者
陰陽傘の使い手で白無常同様ユアンを追う
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ギミックアサシンアクションが格好良すぎる
もうこれだけで満足出来るといってもいいレベルで男の子の夢詰まりまくりなアクションのクオリティです。
主人公ユアンはかつて腕を失いその代わりに義手として神器“修羅の手”を用いているのですが、これのアクションのギミックがとにかく格好いい!
このキービジュアルの時点でカッケェ
義手1つであらゆる武器を出したり腕を伸ばしたりまあ義手なので刀を受け止めつつの格闘戦なんかもあると男の子の夢が詰まりまくりです。
更にこれらを生成する腕の中身の描写もまた格好いい。
流石にリアルタイムでスムーズに描写しようとするとお金と手間がかかるのでということで、
生成シーンは基本的に一々別カットになってしまうのですが、
そのカットが腕の中の機械がグイングイン動いて生成されていくのでアイアンマンとか好きな人は多分好きになるでしょう。
そして生成された武器からのアクションもまた堪らない。
オーソドックスに剣や槍、更には遠距離用に手裏剣や爆弾(パーツ回収どうしてるんだろうとは思います)そして何よりワイヤー義手ですね。
他の武器のアクションもキレッキレでいいんですが、ギミック的に凝っていたのは間違いなくこのワイヤーですね。
ワイヤーで腕を伸ばして移動にも使う、周りの道具を引き寄せて派手に振り回したり多彩に使いこなしています。
特に龍の舞は序盤の目玉でしょう。
更には複数の像をワイヤーを糸に見立てて操るなどファンタジーな暗殺者としては相応しく申し分ない技術の使い方をしてます。
ワイヤーでロケットパンチするというドストレートな使い方もちゃんとありますよ。
他の暗殺者のアクションも凝っており、特に黒無常の傘も良かったです。
“修羅の手”と同じように中にギミックを仕込んでおり、同様のギミック描写もあるなど、
この世界における離恨谷の暗殺者の戦い方の共通事項というのを示唆させる戦い方ですね。
何より爺ちゃんが傘で戦うというのは珍しくかつ渋いですね。
傘をここまで武器としてカッコよく振り回すアクションというのもかなり珍しいのではないでしょうか?
剣を投げてそれより早く駆け抜け傘を鞘として収めるシーンなどは普通に斬った方がいいんじゃね?という突っ込みを無視出来るくらいには痺れますよ。
達人の爺ちゃんが渋い武器を持って戦うというまた別の男の浪漫を見せてくれるというのも良いところです。
後半には離恨谷対近衛軍+異国の幹部との戦いという戦隊のノリで合戦シーンまで盛り込んでくれます。
残念ながらこの合戦の描写自体は少なめなんですが谷の暗殺者の登場シーンの雰囲気だけでお釣りが来てるんでこの際そこは飲み込んでしまいしょう。
ラストは王道にギミックを仕込んだ鎧まで出てきてギミック対ギミックになるという王道まで分かっており、
アクション面に関してはこの映画、自分は大好きだわとなるのには十分すぎるくらいの展開でしたね。
フードと面を被り黒いコートをたなびかせてギミック義手でバトル、もうこんなん男の子にはたまりませんよ。
身も蓋もないかと言うと多分◯サシンクリード意識はしているんでしょうが、武器のギミックで差別化はできているのでまぁいいでしょう!
ぶっちゃけこの映画のゲーム出たらやりてぇ。
正直この手のアクションでもうアイアン・ブレイド超えが出てくるとは思わなかったのですが、中国B級アクションの発想と進化の速度は早いですね。
初志を貫徹し自分であり続ける事
この映画において重要な要素、主人公ユアンのキャラクター性と所属している暗殺組織、離恨谷の理念。
まずはユアンですが、一族を皆殺しにされてきっかけである宝の地図。
これが世に再び出てきた時にユアンは復讐の機会を見つけたことと未来への光を見つけた事に心を昂らせます。
他にも腕を失い“修羅の手”を得た時の話では彼女に「“修羅の手”がある限り私を忘れないで」という遺言を守り今でもなお引きずっている節。
この2つから見ても過去に執着し、縛られる人物です。
ひたすらに過去の出来事に目を向けて突き進む。
これによりその復讐心すら利用されて罠にハマったりなど一般的な内容の作品であれば彼の考えというのは否定されるような考えです。
しかし、そんな彼だからこそこのストーリーにおいてはとても重要な一面があります。
それはブレないこと。
信念を強く持ち初志を貫徹することで彼は常にユアンであり続けます。
これがストーリー的にはとても重要でした。
というのもこの映画のストーリーは復讐も暗殺も否定しません。
寧ろ前向きな物とすら捉えている部分があり、だからこそ彼の過去に縛られることそれに対して復讐をする事。
その初志を貫きユアンであり続けることが肯定される内容となっています。
これは離恨谷の信念をユアンが否定せず最後に引き継ぐことからも分かると思います。
ユアンの所属する離恨谷は暗殺組織でありますが、
“恨みを捨て、もって世を正すべし”
という理念で後ろ暗い組織というより必殺仕事人的な存在として描かれていると考えられます。
各々が暗殺の腕を磨き仮面を被り暗殺に赴く。
この仮面というのは暗殺者としては身バレしないため、
そして作劇上においては王道の登場人物の素性を隠すため、そして心理面での二面性を表すためにも使われています
この作劇上での仮面というものの役割というのが重要であり、
ユアンと相対することになる人物は仮面を被る時、外す時で当初の理念を忘れ、別人になってしまったということが仄めかされます。
暗殺は“今”を変えるだけで運命は変えられないと嘆き、
そんな世を正すために愛する者を捨てて2つの仮面を被り行動していたはずがいつの間にか目的や手段が変わってしまっていた。
被っていた仮面も己になり初志を忘れ愛する者との誓いも破る…描写的にはだからといって弱体化したというわけでは決してないのですが、
こと作劇においてはこの初志を貫徹すること、そして自分であり続ける事がユアンと彼の勝敗を決する差になっていたと考えられます。
それでも破った彼や谷の初志と理念まではユアンは決して否定しません。
世の悲しみや恨みをなくし悪を断ち人々の最後の寄る辺となるという理念を引き継ぎユアンは谷を立て直すことを誓います。
谷を引き継げばいずれまたユアンも同じ過ちの道を歩むことを懸念されますが、
ユアンは信念を強く持ち初志を貫けば素顔の時も仮面の時もユアンのままだと語る…
暗殺も復讐も本来は後ろ暗い物ではあります。
しかし、暗殺により救われるもの、復讐により晴れるものというのがあるということをこの映画は決して否定はしません。
後ろ暗さもあるからこそ初志貫徹の信念を持ち過ちを起こさぬようブレないことの意味。
そして理不尽に対する最後の寄る辺となる選択肢があることを肯定する。
要はアウトローな作品でみんなが期待する法で裁けぬ悪をってやつですね。
昨今の世の中だと特に需要があるのかこのタイプの映画は増えていて評価も高くなりやすい内容ですが、
ただこのアウトローな行いを組織だった部分まで肯定するというのは中々珍しいストーリーかなと感じましたね。
仮面
策を講じ世を正そうと全てを犠牲にした2人の人物。
離恨谷の頭領、金鑼太歳とその妻、火舞天后。
暗殺による世直しを“今”を変えることしか出来ないと限界を感じ、各々が互いを捨て、娘を捨て、
世直しのために策を講じもう1つの仮面を被る決断をした者達でした。
その計画は東桑の将軍チョウ、南陵の王妃ホアとしてそれぞれの国に潜り込み、ありもしない宝の地図をユアンの一族に作らせ、それを巡り2つの国の戦争を引き起こすという内容でした。
目的はそれぞれが国を掌握すること。
国の将軍として王の妻として信頼を得てそして宝の地図を餌にそれぞれの王を誘き寄せ離恨谷に暗殺させ、互いに国の実権を握るという計画。
しかし、長い年月をかける計画というのはそれぞれの初志を濁らせていくもの。
チョウこと金鑼太歳は将軍としての実権を握った後は離恨谷すら壊滅させるという野心を持ってしまいます。
愛する者全てを捨て娘すら捨てた夫婦の乱れた世を正すという計画。
しかし、最後の時には互いに愛する者を選択するという誓いは時を経てチョウからは消えてしまいました。
過去の誓いを失うことは過去を失うことと同義、汚い過去を捨て国の覇者となる道を選択したチョウ。
これは初志を忘れ被ったはずの仮面に乗っ取られた存在とも言え、初志を貫徹するユアンとは対象的な存在といえます。
ここがヒーロー映画なんかで良くある主人公のあり得た存在との対峙にも繋がっていく構成でした。
仮面を被りながらもブレないユアンと長年の仮面に乗っ取られたチョウ。
メタな話をするとどんなストーリーにも勝利のために保護される価値観というのはあるものですが、
この映画ではそれが初志貫徹の信念ということだったんでしょうね。
それ故に仮面を被り他者や己を欺いた人間が報われることはない、
これはチョウのみならず、ホアやヒロインのシェンシェンでも同様でした。
自分を捨てた両親の真実を求めていたシェンシェン。
彼女が現れた時にホアは何も言わずにただブレスレットを託すだけでシェンシェンには何も言い出すことは出来ませんでした。
これはチェンも破った誓いである愛する者を選択するという決断をホアもまた出来なかったのと同じということになります。
そして、シェンシェンもユアンを利用して両親に出会い策を講じます。
情報を巧みに渡し最後のユアンとチェンとの戦いへの道筋を作る。
それがどういう思惑や心情だったのかは最後までハッキリとはさせませんが、
ユアンの「これが望んだ結末か?」という台詞を見ると復讐心もあったのでしょうがやはり親への想いというものも捨てきれていなかった。
策には犠牲が付き物だとユアンはシェンシェンに語りますが、
確かにその通り仮面を被り策を講じるなどせずに娘と出会った時に両親と出会った時に仮面を外し愛する者を優先するという誓いを果たせば親子の悲劇は避けられたのでしょう。
最後に朽ちた離恨谷の中で仮面を外すチェンとホアを見たシェンシェンはそのことを十分痛感したのではないかと思います。
仮面を被り、他者を欺いた親子。その親子には望む結末が何一つ与えられない。
そういった意味ではこの映画も初志貫徹でブレない思考の内容だったのかもしれません。
まとめ
カッコいいアクション全振りと思いきや、暗殺者という主人公のポジションでアウトローな救い方というもの、
そして他者や自分を欺く報いという一貫性のあるテーマを描いていた想像よりいい内容の映画でした。
正直自分の見てきた中国映画の中でもダントツに好きです。
主人公であるユアンの復讐物と思いきや、ユアンが意外と後半で割り切って相手を仇ではなく世を乱す敵として対峙するのもまた良しですね。
谷の中で得た信念というものを与えた人間の前でも完全には否定しないのがこの映画らしい部分かなと。
ストーリー的には最後に親子達により蚊帳の外に行ってしまった感はありますが、
これはブレない男だったからこそそこに踏み入ることはなかったと解釈すればそうおかしい物でもないかなと思っています。
映像的にも深々と振る雪がストーリーの悲壮感、そして命の奪い合いという部分では物騒な言い方ですが血が良く映えてゾワっとする美しさもある映像でした。
自分はストーリーも気に入っていますが、そこが気に入らなかったとしてもヒーロー物が好きならアクションだけでも楽しめる映画に仕上がっていますよ。
とりあえずギミックアクションだけでも見ましょう!
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