この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
映画“それ”がいる森を見てきました。
邦画のホラー、近年はあまりヒット作に(個人的に)恵まれていない中で珍しく宣伝多く打っているのがこの映画。
まぁ、何というべきか面白いと言うよりは楽しい映画でした。
とりあえずB級慣れしている人なら楽しめると思いますよ。
・ツッコミどころの多い楽しいストーリー
・一目見ただけで面白い造形の“それ”
目次
あらすじ
田舎町でひとり農家を営む
田中淳一(相葉雅紀)は、
元妻・爽子(江口のりこ)と東京で暮らす
小学生の息子の一也(上原剣心)が、
突然ひとりで訪ねて来たのをきっかけに、
しばらく一緒に暮らすことになる。
ちょうどその頃から、近くの森では
不可解な怪奇現象が立て続けに発生し、
淳一が住む町でも、住民の不審死や
失踪事件が相次いでいた──。
そんな矢先、淳一と一也も偶然
得体の知れない“それ”を目撃してしまう。
「“それ”の正体とは
いったい──!?」
淳一は一也の担任教師の絵里(松本穂香)と
ともに、怪奇現象に巻き込まれていくが、
それは未知なる恐怖の
始まりにすぎなかった──。
公式サイトより
登場人物
・北見絵里
小学校の教師
事件の件で淳一に協力する
・田中淳一
農家
3年前に義父との折り合いが悪く引っ越してきた
息子の一也とは3年間会っていない
・赤井一也
淳一の息子
爽子と喧嘩して淳一の家へと家出してくる
森で“それ”と出くわす
・赤井爽子
一也の母
一也の勉強の成績でノイローゼ気味になり一也に当たってしまう
・児玉勉
60年前に“それ”を目撃した男性
どっちつかずなストーリー
この映画のストーリー、大人である淳一と子供である一也の視点を中心に進むのですが、これが少々どっちつかずな内容になっていました。
言ってしまえば大人の視点と子供の視点なのですが、淳一の視点は言うなれば推理や対策など一般的なホラー映画の視点。
一也の視点は昔懐かし学校の怪談のようなジュブナイル映画の視点でした。
これが配分的にはほぼ50:50で行われるんですが、
これが上手く機能していたか?と言われると正直微妙かなと思わざるを得なかったですね。
理由としてはまず1つ。話が間延びしてしまったところですね。
単純に2つの視点からの物語それも配分を同じにしてしまっているので冗長気味なんですよね。
それでいてスマホ捜索なんかはあっさり終わるのが何とも。
特に序盤は離れていた息子との再会、田舎の学校に越してきたクラスメイトとの交流など、ホラーとして見るとあまり必要がない部分が多いんです。
こういった部分がジュブナイル感を感じる理由でもあるんですが、後でも語りますがクラスメイトの末路を考えるとこれは必要なのかな?と思いましたね。
冒頭からの微グロとも相性悪い。
一応淳一側の視点は“それ”の目的や弱点などの推理パートでもあるので重要ではあるんですが。
もう1つの理由として大人と子供というこの2つの視点がこの映画のノリと食い合わせが悪いですね。
“それ”という未知であり命の危機もある相手に対して、それぞれが行動しますが、
大人の理屈と子供の理屈はこの状況においては人生経験の差、誰かのために飛び込む勇気のその誰かの対象。
こういった部分で決して意見が交わらないので正直苛立つ部分の方が強くなってしまいましたね。
個人的にはどっちかに偏らせた方が絶対良かったなと思ってしまうストーリーでした。
大人メインでジュブナイル的な部分をバッサリ切るか(どうせ子供達助からないで犠牲になりますし)
もしくはもっとカジュアルなノリにして子供と信じてくれる少数の大人だけで立ち向かうジュブナイル特化な内容でも良かったかもしれません。
結局最後にホラーでもなく友情でもなく家族の絆で締めるので、どちらの視点も投げてしまった感は否めなかったです。
途中まではどう転ぶか分からないようにするため意図的なのかもしれませんが、どっちつかずにしたのはあまり良くはなかったですね。
“それ”の正体
この映画の楽しい部分ですね。面白いとは言いません。
ぶっちゃけると正体は宇宙人なんですが、これは真面目に見るべきかどうか正直悩みました。
まさかのSFホラー。
とりあえず見た目がチープすぎるんです。
CMなどで“それ”を一々ノイズやボカシ入れていた理由がよくわかりました。
宇宙船のCGはまぁいいとしましょう。
ただ宇宙人は見た目も動きももっと頑張れたと思います。
この造形だとスマホで画像見せられてもそりゃ着ぐるみ扱いもされるわって話でした。
今時グレイ型で攻めてくるとは思いませんでしたが、それより動きですよ。
素早いのか素早くないのかはっきりしない運動能力。
画面に映ってない時は速く跳躍力もありそうな描写なのに、画面に映ると少しでも長く映りたいのかもっさりスピードになるので笑えてしまいます。
それでいてのっそり動きながら残像だけ出したりするので、これは真剣にやった結果なのかネタにしてきたのか判断に困りました。
自分はネタと判断として楽しむことにしましたが。
子供を攫い大人は殺す生態や目的、弱点なんかは悪くないんですけどね。
といってもこれも子供には成長盤があるから宇宙人は成長繁殖のために子供だけ食べるとか、地球の環境に適応しに来ているけど植物の細菌にはまだ適応出来ていないとか。
全部憶測なのに全部当たってるっぽいというのはちょっと強引で笑えます。
ちょっと分からないのがラスト。
子供を捕食するとなぜか増えるわけですが、最後に淳一と一也両方を捕食した宇宙人はなぜか死にます。
これは大人の淳一が受け付けなかった結果なのか、それとも淳一の蜜柑が腹の中で効いたのかこれは少し気になっていたりします。
この宇宙人達、一応現実でUFOが良く目撃された千貫森から着想得た結果だそうですが、それでこれが出来るのはB級好きとしてはかなりの才能を感じざるを得ません。
まぁ、あれです。そもそも宇宙人が出るというのが強引なんですからその時点で全部力技で強引に終わらせてもいいのかもしれませんね。
キルスコアも何だかんだで高い。
真面目な話をするとホラーは真剣に作って欲しい
ここまで楽しんだ話をしましたが、ホラーとして見ると正直ネタ側です。
自分は昨今の邦画のホラー映画というのは2種類あると思っていて、
まず1つはアイドルを起用して釣って内容自体は荒唐無稽だったり支離滅裂なことが多いアイドルムービー的なホラー映画。
そしてもう1つはちゃんと実力派を起用して真剣にホラー映画を作っている映画。
残念ながら今回は前者だったのかなと思います。
主演の相葉雅紀さんを起用してファンを釣ってネタ気味なホラーで集客。
これを考えると相葉さんは俳優ではなくアイドルと製作側は見ていたんでしょうね。
この扱いは芸歴など鑑みても本人的にはどう思ってるんでしょうね。
これ自体は悪いだけではないんですが、ただどうしてもこのアイドルムービー路線で行くとメインの客層的にホラーとしては弱くなってしまう、というか製作側も雑になってしまうんでしょうね。
正直日本の文化を使ってふざけずに最後まで真剣に作るだけで強い個性も恐怖も生み出せるはずだと思っているのですが、やっぱりちゃんとしたホラーだと集客見込めないんですかねぇ。
あ、でもちゃんと昨今保護対象気味の子供が犠牲になるという点はホラーとしてはかなり評価できます。
まとめ
面白いというよりは楽しい、はっきり言うとB級ホラーな内容の映画でした。
大作を期待していたわけではないですし、多分こうなるだろうなと思いながら見に行ったので特にダメージもないですが、それでも真剣なホラーが見れるかなと僅かな期待をしていたのも確かです。
あくまで楽しむ映画であって怖がる映画ではないので、そこら辺に耐性ある方なら試しに見てみて話のネタにしてもいいかもしれません。
登場人物の1人も言っていますがとんでもないものは見れます。
ちなみに映画を見ると特設サイトに行けるQRコード貰えますよ。
元ネタについて詳しく載ってます。
他のホラー映画感想はこちら。