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製作国
中国
監督
チャン・ディーサイ
出演者
グ・シャンウェイ
ヂャオ・ウェンヂュオ
ヤン・ユンラン
中国映画といえばカンフー、アンフーといえば少林寺?
今回は細かいことはいい少林寺拳法でカンフーアクションだ!という映画、少林寺 燃えよ洪拳(原題:洪熙官之魔门妖女/THE LEGEND AND HAG OF SHAOLIN)の感想です。
ジャンルはアクションで上映時間は約89分となります。
目次
あらすじ
西暦1669年。洪熙官が泉州・少林寺に帰還すると、師兄や師弟たちが倒れていた。一命を取り留めた世玉によると、内通者が毒を盛り少林寺の壊滅を図ったという。全ては李自成の埋蔵金を狙う朝廷の仕業だった。洪熙官は埋蔵金のありかを示す地図を託され…。
U-NEXTより
登場人物
・洪熙官
蔡九儀の直弟子
師匠の遺志を継ぎ託された地図を送り届けるために旅に出る
モテるが生真面目な朴念仁
・方世玉
洪熙官の兄弟弟子
洪熙官と共に旅に出る
・小漁
洪熙官達が朝廷に追われている最中で巻き込まれる形で両親を失った女性
両親を亡くした後、洪熙官達と行動を共にする
・小慧
母と夜盗を行っている女性
まだ未熟ながら鳳眼拳の使い手
洪熙官に一目惚れする
・于飛
洪熙官の兄弟弟子
少林寺を裏切り朝廷につく
洪熙官に倒された後、白蓮教の手により蘇生され洪熙官をつけ狙う
・韋風林
天地会広東分陀 香主
・白蓮聖女
白蓮教の教祖
地図を巡り朝廷と手を組む
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※2023年1月7日時点
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ストーリーのおまけ感よ
冒頭でいきなり少林寺が襲撃されて壊滅、師匠も死亡と滅茶苦茶シリアスに始まる本作。
そして師匠に託された地図を渡すために旅に出るとこれはシリアスな映画なんだろうなと思ったら意外とノリは軽いです。
要はストーリーはおまけ映画です。
よく考えたら朝廷が埋蔵金欲しさで少林寺壊滅させる時点でシリアスにおかしいのでこれも必然なのかもしれません。
これは大体味方側の登場人物がコメディよりな性格をしており状況にも関わらず、バカやったりイチャついたりするからなんですが、
その中で主人公の洪熙官はとても真面目な性格をしており軌道修正をしてくれるんだろうなと思ったら…
なんか1人だけ真面目に振る舞っているのに周りに巻き込まれラブコメやったり、なぜか逃亡中という身でありながら3ヶ月も医館開くという悠長なことしていたり(ちなみ治療は秘孔ついてるみたいな感じ)
ま〜こういう空気感の中だとクソ真面目な性格というのもコメディになってしまうわけなんですね。
でもこの映画ストーリーの方は本当におまけみたいなものなので、コメディ風味でもなんでもキャラが立っていればそれでいいんだなと思えます。
実際ストーリー展開はなかなかの一辺倒。
兄弟弟子、頼る人物、尋ねる人物といった存在が全員裏切り者という裏切り詰め合わせセットで話を動かしていっているんですよね。
ただ裏切り者にもすぐ退場する相手と因縁を残しちゃんとラストまで引っ張る相手と一応話的には必要な存在ではあります。ただ話の持って行き方が同じやり方というだけです。
ラストにも驚き?かは分かりませんが長い伏線からの裏切りを挟み込んでおり、頭からお尻まで裏切り詰め放題贅沢セットなストーリーです。
ここまで行くとシリアスな展開もコメディなんだよなぁ。
一応味方側の登場人物はみんな大切な人物を奪われたというシリアスな共通項もあるにはあります。
復讐に身を委ねるかというテーマもあったように思えますが、
ここは復讐はやめろと言われたにも関わらずその拘りを捨てないまま相手を倒してしまう小慧がいたのでちょっと半端でしたね。
ここら辺は主人公の洪熙官の特別感を引き立たせるためという思惑でやったのかもしれないなと思えなくもないです。(多分何も考えてない)
当初の目的である地図を渡すという話も普通に考えたら周りに裏切り者も多いし、
それなら自分達で地図に記された場所に辿り着くんだろうと思ったら然るべき相手に渡して終わりという、
お、おぅ至ってまともで常識的な判断だけどそれは映画の物語的にはどうなの?と思うような結末でちょっと拍子抜けしますね。
まぁそこに至るまでに見せるものは見せているので畳みやすいやり方を優先した結果なのかもしれません。
ストーリーは冗談抜きで突っ込みどころ多いだけでおまけなんですが、
この映画の見どころはそこじゃないのでこの点は全く問題にする必要はないですね。
寧ろノリの軽さとテンポで進めてる分、本来の見どころを阻害しない引き算がうまいストーリーと言えるかもしれません。
これぞ洪拳!
というわけでこの映画の見どころはカンフーアクション。
もう見るべき点はこれだけでいいです。
ストーリーの一辺倒な展開も自然にアクションにいくためには全て仕方ない引き算なのです。
このアクションは見どころバッチリです。
ストーリーが頭から尻まで裏切りで詰まっているならアクションは頭から尻まで見どころが詰まっています。
よくある無敵な主人公が無双するという形式なんですが、カンフーでこれを自然に行うには相手にも手練れが必要。
だからストーリーでは裏切り者ばかりにする必要があったわけですね。
この展開のおかげで相手は自然と手練れになり戦闘の機会だって必然的に増やせる…はい、ちゃんと売りが分かっているいい映画ですね。
アクションの内容も1対1、1対多、槍を使うなど種類も豊富です。
1対1は正に演舞です。
これが1番見たいものだろ?と言わんばかりにキレッキレのカンフーアクションです。
こういう規模の映画でもアクションだけはここまでキレのある俳優を用意出来るのは明確に向こうの強みだなと感じられますね。
1対多や槍を使うアクションは言うなれば無双ゲーの様相ですね。
この多数相手の何がいいってただ相手を倒すのでなく地形やその辺りの道具を活かしながらアクションするのがいいんですよ。
特に槍はカッケェです。動きが最早ゲームですよゲーム。
こういうカンフーアクションのいいところは現実感を重視するより見栄えやかっこよさを重視するので、
やり過ぎなとんでも描写…しかし間違いなく見ていてのめり込めるカッコよさを提供してくれるのが素晴らしい。
観客が見たいもの期待しているものにちゃんと全力で応えている質の高いカンフー・アクションでした。
まとめ
ストーリーの展開はとてもとても一辺倒でしたが、その展開にすることで違和感なく見どころのあるカンフー・アクションへと繋げている。
狙ったかどうかは分かりませんが引き算が上手い映画でした。
ストーリーに関してはおまけなどと言ってしまいましたが、話の筋は一貫しているので不快とかつまらないとかそういうのは全然ないです。
アクション映画なら定期的に挟んで欲しいアクションはしっかりと長尺でありながら、テンポの良さも感じられると、見どころはしっかりそれでいてとても見やすい映画でした。
こういうのを見ると話は多少雑でも分かりやすく後はアクションを魅せる構成というのは大正義だなと改めて感じますね。
この手の映画で好き嫌い分かれるのはストーリーの質も求めるか否か、アクションが好みかそうじゃないかくらいなので、
この映画に関しては質のいいカンフー・アクションが見れればいいという方にはおすすめですね。
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