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貴重な新作SRPGディオフィールド・クロニクルをクリアしたので感想書いていきたいと思います。
貴重な完全新作、貴重なRTSということで楽しくプレイはしてたんですけど後半が勿体なかったですね。
もう少し、もう少しだけ後半でストーリー、戦闘共に肉付けしてくれれば文句無しだったそういう出来でした。
特にストーリーですね。
ただ今の時代でRTSというジャンルでおふざけもないシリアスなストーリーの完全新作のIPというのは貴重なので、そこはもう手放しで良く出してくれたという気持ちです。
御託を言い続けてもしょうがないので各項目ごとに感想を語っていきたいと思います。
個人のクリア後感想ですので独断と偏見、ネタバレが大いに含まれますがそこはご了承ください。
・ストーリーは後半が惜しい竜頭蛇尾な内容
・戦闘はカジュアルだけど深みは足りない
・育成は1周目で全て満たせるくらい簡単
・クリア時間は約20〜30時間程でクリア可能
目次
ストーリーは竜頭蛇尾
ストーリーは終わりよければ全て良しの逆を行ってしまった感がありましたね。
正直ED行った時にえっ、これで終わり?なのと打ち切り感を感じてしまいました。
こうなったのはリアズの最後の決断にカタルシスを感じなかったからだと自分は思っています。
ディオフィールドを巡る戦乱の中でブルー・フォックスの戦いが語られるストーリーなのですが、
まぁともかくシナリオが進行するたびに主要人物がギスっていきましたね。
立場が人を作ると言いますがブルー・フォックスも同じように立場が変わり組織としての在りようが変わっていきました。
普通のゲームなら変わっていく組織の中で自分の理想や仲間の理想、そして現実などを上手く擦り合わせ埋め合わせていき同じ目線を持って絆が深まるのが王道なんでしょうが、
このゲームは各々の確固たる理想や思想の元どんどん互いに軋轢が深まるというある意味ではリアルではありましたね。
これにより完全離脱のメンバーなども現れますしここら辺で良くも悪くも綺麗な作品にはしたくはなかったんだろうなと感じました。
そんな軋轢や離脱が深まる中での主人公であるリアズの最後の決断なのですが、ここは最初も言った通りカタルシスは全然感じないんですよね。
理由としてはリアズという人間の心理描写の少なさから来るものだと思います。
兎に角秘匿主義なのでほとんどと言っていいほどリアズについては理解が深まらないまま最後まで行ってしまいました。
あまりに語りすぎると最後の衝撃が無くなるのは分からんですがそれにしても心理描写が少ないかなと。
最後のゼーヴァティアンを討つシーンなどはリアズから積年の恨みを込めた万感の思いを遂げた時なんでしょうが、
プレイヤー視点だと今までそんな素振りが無かったので因縁に唐突感を感じて彼との感情がリンクしないんですよね。
最後の決断にしても同じこちらは多少は匂わせていましたが、それを置いといてもリアズの政治姿勢や何を成し遂げたいのか…そういう政治ビジョンを見せないままあの決断が行われるので全くカタルシスがないんですよ。
最後の衝撃のためにあまりにリアズという人間の描写を省いた結果彼が遂げた大仕事に何も感情が追いつかない、
これのせいで最後に唐突な打ち切り感を感じてしまったなというのがラストの感想ですね。
一応周回プレイで彼がどういう心情を持ってあの決断を行ったのか、どういう統治を目指したのかというのがライブラリで語られていますがこの部分もこのゲームの悪癖なんですよね。
ストーリーでのキャラの機微ではなく良くも悪くもナレーションやライブラリなどの文章で説明を終わらせたがる癖があるので、
よく物語を読むなら行間を読めとは言いますがこのゲームだとナレーションで飛ばしまくって行と行の間が長すぎてとてもキャラの心理は読みきれないと思います。
特にラストの決断の後の仲間達の動向、これはちゃんと描写して欲しかったですね。
何人かはライブラリで語られていますが、これすら全員ではないんですよね。
特に最初期からいるアイゼやロレインは絶対に思うところがあるはずなのにそこはライブラリでも語られない、こういうところが本当に勿体無いというか片手落ちな部分になってるなと思います。
読み物としてはありでもゲームとしては✖️
総じて言うとストーリーに関してはこれに尽きるかなと思います。
読み物としてはこういう展開でもいいんですけど(それでも打ち切り感は否めませんが)長い時間をプレイするゲームとしては良くないですね。
やはり長い時間をかけたゲームならそれがどれだけ重い内容にしろ苦しい内容にしろ最後に納得感というものが欲しいんですよ。
今回はその納得感をリアズの心理描写の少なさ故に得られることが出来なかった、これが本作のストーリーの全てかなと思います。
途中までは本当にいい戦記物だったのでラストへの持っていき方、これだけはもっと上手くやってほしかったですね。
もう1つは主要メンバー、イスカリオンとワルターキンの離脱。
特にイスカリオンはトレミナのアビリティを考えるとバカじゃないのとちょっと言いたくなる部分があります。
こういう主要メンバーの永久離脱自体はあってもいいんですよ、ただこれをやるなら離脱メンバーが変わるストーリー分岐が欲しかったなと思いますね。
全員で仲良く同じ道をという綺麗な話は用意するつもりがないのは分かるので、せめてルート分岐を行い思想の違いにより最終メンバーが変わるくらいはやはり欲しかったですね。
こういう分岐でストーリー展開が変わることこそがゲームだからこそ行える展開だと思いますし、戦記物をやるのであれば求められていた要素でもあると思います。
単純に周回のモチベにもなりますしね。
こういうゲームならではという部分を用意してくれていればもう少し自分の中でのストーリーの評価は変わったかなと思うので可能であれば続編なりDLCなりでフォローが欲しいですね。
カジュアルなゲーム性
ゲーム部分はストーリー部分の重さに反してRTSとしては想像以上にカジュアルな難易度でした。
ぶっちゃけてしまうとかなりヌルかったです。
理由としてはリアズのアサシネーションがあまりに強すぎる。これに尽きますね。
リアズの追い討ちアビリティにより相手が状態異常時に威力が跳ね上がり更にトドメを刺したらクールダウン無しと、頭1つどころか3つ4つ抜けた性能なのでこれを使うかどうかという難易度でした。
こういう理由でアサシネーション使うと無双ゲーと化すのでRTSとして楽しみたい方はリアズを縛った方がちゃんとしたRTSとして楽しめると思います。
1人で難易度を変えすぎている。
といってもリアズを縛ったとしてもそれでもまだヌルめな難易度だとは思いますが。
このゲーム結構パワープレイが通用してしまうので、普通のRTSなら状況に合わせて部隊を分けて進軍などが必要になるんですが、
このゲームはみんなで固まって進軍して轢き殺すプレイした方が安全かつ効率良く進められることが多いんですよね。
これは大体勝利条件が敵の全滅ばかりというのが理由ですね。
ミッション達成狙うなら時間制限ありますがこれも全員で固まって進軍しても結構余裕を持ってクリアできるくらいの設定タイムなのでそこまで分散を強いる程の足枷にはなってませんでした。
もう少し防衛や護衛などで気持ち1つシビアな立ち回りが求められるようなステージがあればRTSらしい難易度にはなったんじゃないかなと思いますね。
とはいえ育成など他の要素を見ても可能な限りゲーム部分はカジュアルに収めたいんだなというのが散見されるのでRTSに慣れてないプレイヤーに向けたゲームということで納得はしています。
強いて言うならエンドコンテンツとして高難易度ステージを用意してくれたら良かったかなってくらいですかね。
育成も勿論優しめ
戦闘もカジュアルですが育成面もかなりカジュアルでした。
スキル強化、アビリティ習得、武器作成、魔皇玉強化。
主にこの4つとなりますがアビリティ以外はその気になれば全部1周目で完全に強化可能です。
スキルはミッション達成で自然と集まりますし、武器や魔皇玉も素材が店売りされたりするのでここら辺はリソースなどに悩むことなくかなりお手軽でしたね。
アビリティだけキャラのレベルを上げなければいけないのでそれなりにレベル上げないといけませんが、まぁそこまで鍛えても倒す相手がいるわけでもなく趣味の領域ですね。
この育成面に関しては好みの問題にはなるでしょうが周回プレイ可能と言うことを考えると個人的にはもう少し根っこを深くしても良かったんじゃないかなと。
ただ戦闘のカジュアルさ、ストーリーの分岐無しこういう要素を見ると、おそらくは周回プレイ実装は完全なおまけであり、
あくまで1周で完結するゲームデザインを目指したと思われるのでここら辺は自分がそのターゲットから外れてるだけなのかなという話ですね。
キャラの個性はもう少し欲しい
育成面で最も気になったのはここですね。
このゲーム、キャラにあまり個性が出せないです。
正確に言うと使用可能スキルが武器依存なので同武器装備可能なキャラだと似たり寄ったりな性能になってしまうんです。
このゲームで明確に個性がある性能をしているのは武器種が被らないリアズとドノヴァール、後は離脱キャラを考えるとある意味ではリッカとエスターテ。
この4人だけです。
副官のスキルも使用可能なのでそこでスキル専門キャラとして割り切って配置しろということなのかもしれませんが、やはりスキルはキャラ依存の方が良かったんじゃないかなと思いますね。
個性分けの要素となるアビリティもそこまで独自性のあるものや個性的なものはないので同武器種キャラだと完全にお好みでくらいなのでもう少しキャラに個性持たせる要素は欲しかったです。
1つのアビリティで動かし方が劇的に変わるみたいなものが殆どないんですよね。
後は副官配置によるキャラ同士のシナジーの生みづらさですかね。
これはパーティ単位での補完を目指したんでしょうが、個人でのシナジーはクールタイムがあるので副官は本当に使用可能スキルの幅を増やすだけって感じなんですよね。
副官専用のアビリティやスキルなどがあればもう少し組み合わせを楽しむ要素が生まれたんじゃないかなと思います。
プレイ時間について
それなりにやり込んでも大体20〜30時間でクリア可能です。
巷では短いと言われているそうですが、個人の意見としては
シングル専用RTSならこれくらいが普通じゃない?
というのが本音です。
このゲームはRTSなのでいくらカジュアルなゲームデザインでも1戦1戦が重めです。
これで50〜100時間遊べるとなったら流石にRTS慣れしていない方を篩にかけすぎてしまうと思いますね。
要素要素見ても目指すはカジュアルなゲーム性だったのでしょうからプレイ時間としてはこれが妥当じゃないかなと。
まぁ短く感じて不満に思われたのはおそらくストーリーでの納得感とかそう言う部分もあるのかなとは思いますね。
ゲームをカジュアルにしてストーリーを読ませようと思うなら世界観やキャラの関係性に浸れるだけの描写やラストの納得感。
要はストーリーを読ませたいならここでは妥協はするな、そういうところへの消化不良感が短さへの不満に繋がったところがあるんじゃないかなと勝手に考察しております。
トロフィー的にはどうなのか?
トロフィー的には楽なゲームですね。
行ってしまえばチャプターごとにちゃんとサブクエをクリアする、ステージのミッションは全てこなしていくようにする。
これさえ守れば後はゲームクリアすれば自動的にプラチナです。
サブクエストも発生したらマーク付きますし、ミッション達成も過去のステージに挑戦できる仕様上余裕でしょう。
ゲームをクリアしたらプラチナも取れるといえトロフィー的にはお得なゲームですね。
まとめ
ゲームのカジュアルさでストーリーを読ませに行ったゲームだと思うのですが、そのストーリーに納得感が欠け消化不良を起こして勿体無い内容でしたね。
明らかにもっと良くできる部分が見受けられるのでとても勿体無い印象となりました。
とはいえこのご時世にSRPGしかもその中でRTSというジャンルで完全新規IP。
この試み自体は素直に評価できる部分ですので、次があるのであれば今作の様々な意見をフィードバックしてより洗練された新作を制作することを期待したいですね。
アプデ後の記事も書きました。
【The DioField Chronicle】 遊びの幅が増えるアップデート ディオフィールド クロニクル ver.1.2.0 感想