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製作国
アメリカ
監督
アジフ・アクバル
脚本
コージ・スティーヴン・サカイ
出演者
ミッキー・ローク
ジェフ・フェイヒー
ブレンダン・フェア
マイケル・ジェイ・ホワイト
ジョン・イーノス三世
よくある過去のある親父の無双映画。
王道なプロットでハズレはとても少ないジャンルですが今回は少しばかり趣が違います。
今回はそんな映画ザ・コマンドー(原題:The Commando)感想です。
ジャンルはアクションで上映時間は約93分となります。
目次
あらすじ
麻薬取締局(DEA)の捜査官ジェームスと同僚たちは犯罪組織のアジトである廃工場に突入するが、そこで銃撃戦が発生。複数の女性が流れ弾で亡くなり、それによってPTSDに苦しむように。一方、刑務所から仮出所した凶悪犯ジョニーは逮捕前に大金とある指輪を一軒家に隠し、その回収を仲間たちに依頼。だが一軒家にはジェームスと彼の妻と娘2人が暮らしていた。ジョニーの仲間たちはその家に侵入するチャンスをうかがい……。
wowowより
登場人物
・ジェームス・ベイカー
麻薬取締局(DEA)の捜査官
作戦中に一般人の母娘を巻き込み射殺したことによるPTSDに苦しむ
・ジョニー
元強盗の凶悪犯
出所後に過去の実家で現在はジェームスの家に隠した金と指輪の回収を目論む
・アレクサンダー保安官
ジョニーと繋がっている汚職警官
・セバスチャン
ジェームスの友人
旅行中のジェームスに頼まれナタリーとジェニファーの様子を見に来る
・ジェニファー
ジェームスの娘
ジョニーの隠した金を見つけそれを使っている
・ナタリー
ジェームスの娘
正義感が強くジョニーの金を使うジェニファーを嗜める
・リサ
ジェームスの妻
帰宅したジェームスの様子がおかしいことを気にかけている
時間配分がおかしい
出所した元強盗犯の男が隠した金を取り返しにいき、麻薬取締作戦でPTSDに苦しむ男と対峙する今回はそんな映画…
だと思ったら時間配分が大分おかしい映画となっています。
何といっても1番みんなが期待しているアクションが冒頭数分とラスト10分くらいしかないのです。
まぁこれ自体はストーリー性を高めるためであればある程度は仕方ないという部分もあるのでしょうが、
その肝心なストーリー性に関しても時間配分おかしかったりします。
というか登場人物、特にジョニーの行動がちょいちょい支離滅裂。
何というかストーリー面もアクションの時間を犠牲にしている割には中身に乏しいと言いますか、
まずジェームスのPTSDがそんなに機能してないですね。
仕事の作戦で誤って一般人も巻き込みフラッシュバックに襲われ現実と妄想の境目がつかなくなることがある。
こういう設定ってストーリーにおいては苦悩にアクションにおいてはピンチと克服に使われるものだと思うのですが、
苦悩に関してはカウンセリングシーンなどもやってますがそこまで踏み込んだ内容でもないんですよね。
ベタな発想ですが人に当たるわけでも生活が壊れていくわけでもないとあまりドラマ性には繋がってなかったですね。
アクションにおいても娘が人質になった時に一瞬だけ逡巡しますが、
あっさり克服とこの設定別に無くても成り立ったよなと思うような設定でした。
というかこの主人公の設定に大して尺取ってなかったのがおかしいですね。
後述しますが他のことに尺取るならここに尺取ってドラマ性を強化した方が良かったと思います。
というわけで肝心な主人公の設定に尺を取らずにどこに尺を取っているかというと、
バカ娘とジョニーの仲間の監視シーンだったりします。
ジェームスの自宅がジョニーの元実家でそこに金と元女房の指輪が隠しているという設定で、
娘の1人ジェニファーがそれを見つけてこっそり使っているという流れなのですが。
このジョニーの仲間と娘のパートが無駄に長いです。
敵のボスのジョニーにすら対して尺を割かずになぜここに尺を割いているのか、
一応実行犯の加害者と被害者の関係性にはなっていきますがここまでいるか?とは思いましたね。
ジェニファーに関してはさっさと通報してたら終わっていた話なので本当におバカな上、彼女の友人のパーティパートもやや冗長です。
この友人達に関してはやられ役という大事な役割もあるにはあります。
そしてもう1つ長いのがジョニーの仲間達のパート。
出所したばかりのジョニーが金の回収をするわけにはいかないので彼らに任せるのですが、これもまた長いです。
何が長いかというと家の監視をして駄弁っているシーンが無駄に長いのです。
ぶっちゃけラストのアクションシーンの合計より多分長いと思います。
観客に敵を教えれば憎むべき相手となり後半のカタルシスに繋がるというのは分かりますが、
後半のアクションが短すぎて彼らもあっさり退場するのでカタルシスもすんごい薄いんですよね。
そもそもただ出番が多いだけであまり魅力には繋がっていない…
ジョニーと繋がっている汚職警官のアレクサンダーもジョニーの計画のためジェームスに令状出てると呼び寄せますが、
あっさりと書類の不備を見抜かれ作戦失敗するなどこいつラストのために取り敢えずここで出しただけで全然意味ねえな…と言わざるを得ませんでした。
というかラストも別にいなくても成り立つと思いますね。
こんな感じで中身が薄いというよりダベリで時間を使いアクションは短いので、
ストーリーに関しては完全に時間配分をミスっていた印象しかない映画となっていました。
肝心の強盗もアクションも展開が早すぎる
ダベリで溜めに溜めてようやく解放される敵の強盗と駆けつけるジェームスのアクション。
待ってたぜ!と思ったらストーリーの時間の掛け方は何だったのかと思うくらいスピード展開で消化していきます。
まず強盗シーンですが、最初に無慈悲にジェニファーの友人がテンポ良く犠牲になっていくシーン。
こちらに関しては無慈悲さが際立つのでいいと思いました。
しかし、その後ジェニファー達共々拘束されたセバスチャンの反撃と犠牲があまりにも早すぎる。
あんだけダベっていた1人をあっさりと倒し、あっさりと気絶させられ、あっさりとジョニーの手にかかると。
本編のダベっていた時間この反撃にもっと割いても良くない?と思わざるを得ませんでした。
というかセバスチャンに尺割いてないから彼が良いやつという以外何も分からないので悲しみも湧かねえよっていう話ですよ。
その後のジョニーの行動もなかなかの支離滅裂っぷり。
元々ナタリーの電話で駆けつけている最中ではありますが、
わざわざジェームスに電話して呼び寄せて殺そうとするのが本当に意味が分からないのです。
別にジェームス視点だと実行犯が割れている訳でもなし、ナタリー達始末してさっさと逃げて保安官に証拠揉み消しで済む話なんですよ。
こちらの方が保安官出した意味出ると思う。
死んだ仲間の敵討ちならセバスチャンで終わりだし目的の指輪はもう回収してるしで本当に呼んだ意味が未だに分からないです。
強いていうならアウトローにありがちなファミリー精神でセバスチャンを呼んでいたジェームスも始末しなくちゃ気が済まないという感じなのかもしれませんね。
一応そういうファミリー精神は合間合間で見せていたので。
- アクションも早すぎる
というわけで娘のピンチだし呼び寄せられたしで駆けつけたジェームスのアクション。
こちらもとてもとてもテンポが早いです。
あまりにも早すぎる。
ジェニファーの友人同様、そこらの連中はテンポ良く倒して強さを際立たせるのに使って良いのですが、
あんだけ尺取ったジョニーの仲間もあっさりと倒すのはどうなのかと思いますね。
もう本当彼らは瞬殺です。瞬殺。
あんだけ尺取っといて瞬殺とか彼らの役割は何だったのかと思わざるを得ません。
1番粘るのがポッと出のジョニーの友人の弟レイとは思わないでしょう。
寧ろ1番粘った彼に尺を取るべきですよ。
そして締めとなるジョニーとの決戦。
シュワ版コマンドーよろしく銃を捨てて格闘戦をやりますがこっちもやっぱりすぐに終わります。
ミッキー・ローク使ってこれかよぉ!と思わせる程早いです。瞬殺です。
あまりに早すぎて早かった以外頭に内容が残らないくらい早いです。
ここまで引っ張ったのは何だったのか?そう思わせるくらい早い決着です。
決着の後にいた意味あったかな?と思っていた保安官が汚職警官らしくやってきますが、これやっぱり別にいらないんですよね。
ジョニーと決着つけて警察呼びましたでも全然成り立つので敵の多さを匂わせておくくらいの緊張感を少し高めるくらいですかね?
出所したばかりの人間とチンピラがプロに勝てるわけがないだろという現実的な路線なのかもしれませんが、
無双アクションという程困ったことにカタルシスもないんですよね。
PTSD跳ね除ける展開もあっさりですし、そもそも敵に魅力も強さも感じないのが問題ですね。
冒頭の麻薬取締際の銃撃戦が1番見応えがあるというかここで期待しすぎたかもしれません。
まとめ
今回は珍しく厳しめな評価になってしまいました。
ドラマとアクションの時間配分もおかしいのですが、その尺を割いたドラマに関しても配分や優先順位がおかしく点と点が交わらないまま終わってしまった何とも言えない内容でした。
せめてアクションが見応えあれば良かったんですけど、
というかこういう映画はそれが目当て。
これに関しても目が覚めるような構図や内容でもなかったので何というか中途半端で終わってしまいましたね。
各々の設定には惹かれるものがあるのでそこの魅力を引き立てるストーリーやアクションを打ち出して欲しかった。
絶対にもっと良くなりそうなのになぁともどかしい気持ちになる色々と惜しい映画でした。
他の映画感想
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