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製作国
カナダ
監督
ジェームズ・マーク
脚本
ジェームズ・マーク
マシュー・ネイマン
出演者
サラ・ミティック
ジョージ・チョートフ
エヴィー・ロワゼル
カレン・ルブラン
予告やら情報、シチュエーションから想定する内容とは違うものが出てくるのがたまーにあるのが映画という物。
今回は能力や知能ゲーム的な内容かと思ったら想像以上にしんみりとした内容になった映画CONTROL コントロール(原題:Control)の感想です。
予告の映像、能力を駆使してタスクをこなすという内容、これらからは想定していないラストが待っていると思いますよ。
ジャンルはSFスリラーで上映時間は約89分となります。
・密室で繰り広げられる極限ストレス
・能力による派手な大暴れ
・意味深な夢から紡がれていくラスト
目次
あらすじ
見知らぬ部屋で目を覚ましたアイリーンは、謎の声から「タスクをクリアしないと娘のイブが死ぬ」と告げられる。そのタスクとは彼女の念動力を解放するテストで、クリアすると意識を失ってしまう。目覚めると次のタスクをこなす必要があり…。
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CONTROL コントロールを配信している配信サービス
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登場人物
・アイリーン
目覚めたら謎の部屋に閉じ込められていた女性
娘のイヴを人質に取られ謎のタスクを行わされる
連れ去られる前の記憶が曖昧で最初は娘と夫のことも思い出せなかった
・ロジャー
アイリーンの夫で彼女と共に誘拐された
夫婦仲はあまり芳しくなかったようでよく口論をする
・イヴ
アイリーンとロジャーの娘
アイリーンを攫った組織に人質にされている
同じことを繰り返させられる超能力スリラー
誘拐された女性アイリーンが娘を人質に取られ謎のタスクを実行させられるという超能力スリラーな本作。
鉛筆を動かせという指示から始まり、そして成功したら気絶させられ娘の夢を見た後にまた目覚めてタスクに臨むというほぼこれの繰り返しで進む映画です。
このタスク最初の方は知能ゲームのような内容ですがすぐに超能力テストに切り替わります。
拘束された状態で鉛筆を折らされたり、バケツにボールを入れたり、銃を組み立てたりなど全部超能力で解決です。
まぁ、これは予告と冒頭の時点でそうなる流れになるのは分かりきっていることなので文句を言う部分ではないんですけどね。
ただこの超能力によりテストの内容の解決方法が何でもありに近くなったので、
テストでの駆け引きを楽しむという方向性には全然ならなかったのはこのシチュエーションだとちょっと残念な部分だなと。
組織の目的を見るとそこら辺の駆け引きはそもそも不要な話だったというのは分かるんですが、
映画的には超能力があると分かった上での駆け引きというものも楽しみたかったというのが本音ですね。
誤解されないために言うと雰囲気そのものは良いんですよ。
ゴールも分からず何度も繰り返させられ超能力を使用したことによる代償なのかどんどん心身共に疲弊していく、
夫であるロジャーがお世辞にも完全な善意だけの存在でもないというのもありギスったり支えあったりするこの関係性は良く出来ています。
ただ話的に売りになってそうなこのテストより夫と娘のやり取りや関係性、失った記憶が何なのかだけが焦点になっていたのは少しもったいない気がしました。
ラスト的にはこれくらい割り切っているのも正解ではあるんですけどね。
後半はテストによって覚醒したアイリーンによる反撃が見れ、
そこでアイリーン、観客共に今まで溜まったフラストレーションが解放されたかのような反撃に繋がってはいたのでこの単調さもそれはそれで間違ってはいないのか?とも感じはしますが。
家族と記憶
夫ロジャーと共に誘拐され娘のイヴが人質に取られている状況でタスクをこなすことになるという内容ですが、
そのタスクが超能力で突破と便利すぎる解決をするので、そちらよりもこの家族と記憶に関しての方が話としては主軸となっているのかなと。
そもそもアイリーンは誘拐される前の記憶が曖昧なことになっており頭には何か埋め込まれた後があります。
そんな曖昧な記憶ですがイヴの話を聞けばイヴのことを思い出しタスクの途中から現れたロジャーと話せばロジャーのことを思い出すと、
作中でも言われていますが記憶の選別をされているみたいな状況なのです。
この内容見て自分はアイリーンは作り物で記憶なんてものがそもそも無い存在で、
出会った人間、与えられた情報を記憶にしているだけなんじゃないかと予想していましたが、まぁこの予想は見事に外れましたね。
そんな外れた予想はともかく断片的な記憶しかない状況で繰り返されるタスクの中、何度も気絶させられその時に夢に出てくる娘が1つの支えでありタスクをこなす原動力にもなっています。
海岸で砂の城を作る娘が歌うのが何度も何度も繰り返されます。
これを見るとアイリーンにとってのイヴの存在の大きさがよく分かるようになってましたね。
それに対してのロジャー、彼はアイリーンの夫であったらしいのですが彼の態度や出てくる記憶でイヴとは逆に必ずしも芳しい仲では無かったことが分かります。
そしてこのロジャーが中々に怪しい。
タスクの途中でアイリーンと同じ部屋に閉じ込められて参加させられたこともそうですし、
アイリーンが気絶させられている間に部屋に食事が運ばれているわけなんですが、その時にロジャーは何をしていたんだ?と当然疑問に思うわけです。
アイリーン気絶の瞬間はロジャーは意識あるのがまた怪しく見えるわけですね。
そして再びの予想して組織とロジャーは繋がってそうと予想したわけですが、こちらは最後まで見ると当たらずとも遠からずと言った内容でした。(まぁ、これは予告見るとバレバレっちゃバレバレ)
ロジャーとアイリーンの関係性はなかなかに面倒な関係と言えます。
夫婦としては明らかに不仲だったことを匂わせますし、でもやっぱり協力しあって信頼したりと人間簡単に割り切れる関係性にはならないよねって感じです。
結構歪でもあり生々しくもある関係なんですよ。
銃を組み立てるというタスクの時に口論となりロジャーに1発撃ち込むもののギリギリで弾を止めたり、
そんなことがありながらも過去の事を楽しく談笑してお互いを支え合ったりなど。
具体的には酒をやめなかっただのいつも喧嘩していただの挙句の果てには夢の中でイヴが作った砂の城をわざと崩していたり、
かと思ったら付き合う時の話ではやっぱりいい思い出があったりアイリーンには教師の夢があったと教えるなど、
記憶がないなりにいい思い出や悪い思い出もある愛憎入り混じってる関係なのが見て取れるんですよね。
ちょっとDV家族っぽいなと思ったのは内緒。
そこで最後にアイリーンが理由は思い出せないもののなぜか謝りたくなった、これがアイリーンがロジャーに対しての評価の全てなんでしょうねと話を全てを見た後だと思えます。
振り返るとここの“死の海”というバンド名も中々に意味深だったんですねぇ。
残念ながらこのロジャーは最後のタスクで亡くなってしまうのですが。
その時のフラッシュバック、これが攫われる前のアイリーン達に何が起こったのかを示唆しておりアイリーンの記憶の扉が開かれるようになっていきます。
人生は夢のようなもの
それがロジャーを救うという最後のタスクを達成できなかったアイリーン。
ここから映画の肝となる記憶の真実が明かされていきます。
というかジャンルも変わります。
何といってもここからしばらく超能力で一方的に蹂躙するバトル展開みたいになりますので。
タスクに失敗したのでイヴの身を案じる中でついに部屋が開かれそこにフルフェイスの武装した男達に囲まれるも怒りで超能力発現して男達をバッタバッタと、というかバッキボキにあちこち折って薙ぎ倒していきます。
部屋の外で囲まれても同じように今までの理不尽と娘の身を案じていた感情全てをぶつけるかのような大暴れっぷりを見せてくれます。
というかここのアイリーンは普通に怖いですね。
首を傾ければ人の手足がグネグネ曲がり、比較的分かりやすい説明だとMCUのワンダみたいな動きです。あれの表現を遠慮しなかったらこの作品みたいになるって感じ。
そしてあっちこっちが曲がったフルフェイスの男達の顔を見てみるとそこには…なんとロジャーの顔が。
他の男達も全員ロジャー施設の中を進むと砂の中に埋まったはずのロジャーもいて近づくと一言。
みんな俺とそっくりだ。
“予備”と書かれた部屋の中には大量のロジャーがいるというこの施設の技術レベルの高さと倫理観のなさがより浮き彫りになっていく不気味さがありました。
その後また返り討ちにあうと分かっているのに出てきた大量のロジャー達のアイリーンが同士討ちさせ、
更にその内1人の顔は執拗なくらいに潰させたのにはやはり何か思うところがあったんでしょうね。
この時のアイリーンは常に無表情なので感情は行動から察することしか出来ません。
上で書いたロジャーが怪しいというのが当たらずとも遠からずというのはこういう事だった訳ですね。
そして最奥に辿り着きイヴを取り返そうとしたアイリーンに告げられる真実、
というより意図的に消されていた記憶を取り戻された時に誘拐される前に何があったのかついに明かされます。
海岸で娘と遊んでいたアイリーンとイヴ、そこでロジャーは娘に嫉妬していることが分かり口論となりアイリーンを殴ります。
そしてその時にアイリーンが能力を発現させロジャーを吹っ飛ばし、おそらく殺害していると思います。
この時のアイリーンはロジャーに気にも留めないので明確ではないのですがまぁ逝ってるでしょう。
しかし、アイリーンの不幸はそこではなくロジャーを吹っ飛ばした際にイヴが巻き込まれ彼女も亡くなってしまったこと。
今まで見た夢も部屋で聞いた声も組織の手によって再構築されて虚像でしかないとアイリーンに告げられます。
そして、全てのタスクを完了したアイリーンは記憶を消して、
ここら辺全く意図が説明されないので憶測ですが組織のために働かされることを求められます。
そこでアイリーンの下す決断はもう1度テストを受けさせてもらうことでした。
あの部屋と夢の中でイヴが待っている、彼女を忘れることは出来ない、娘を救えるともう1度だけ信じさせてと。
そしてもう1度実験の最初、つまり冒頭に戻りこの映画は終わります。
冒頭の時点でアイリーン大暴れの映像が流れた理由がここで分かるんですね。
要はループ物、冒頭の1回と今回と最低でも2回はアイリーンはイヴを捨てきれずテストを繰り返していることになりますね。
人が本当に死ぬのは誰からも忘れ去られた時とどっかで言っていましたが、
アイリーンもその言葉通りイヴを死なせないためにループを選びました。
人生は夢のようなもの
夢の中のイヴが何度も歌っていた夢ですが、その歌の通りに、
閉じた輪の中で夢と記憶の中だけで生きている娘に浸り続けるのがアイリーンの選んだ幸せなのでしょう
そしてこの事態のきっかけを作ったロジャーはアイリーンがイヴの死を受け入れるまで何度も複製され何度もアイリーンに殺される、
これが彼の罰ということなのでしょう。
正直最後に反撃パートに移った時はこれから組織を潰すとか私達の戦いはこれからだ!みたいなエンドになるのかと思ったのですが、まさかのループエンドという。
ですがアイリーンの出した答えは決して否定しきれるような答えではないですので親としての物語としてはこれも1つの正解なのだと思います。
結局この組織は何だったのか?
最後まで見ると絶対に気になるのがアイリーンを誘拐した組織の正体。
この映画だとこの組織のことは結局何一つ分からないまま終わります。
分かっているのは超能力者を攫ってタスクをこなさせて能力を発現させること。
人間をそのまま大量に複製出来るくらいの高い技術力を持つことくらいです。
今回のアイリーンで言うと彼女の能力の発現のさせ方は少なくとも把握しているのは分かります。
彼女の能力の発現は基本的にイヴへの思いよりもロジャーへの怒りで発言しているのがよく分かるので彼の複製を投入するという手段に出たのでしょう。
そして極限状態でストレスを与えてタスクをこなさせて完成した超能力者をどうしたいのかというのはさっぱり分かりません。
よく考えたら外の様子もアイリーン達の視点では海岸くらいしか映らないので、
実は近未来でとんでもない世紀末な世界になっている可能性も無きにしも非ずかもしれません。
そもそもアイリーンと複製されたロジャーしか最後まで人間が出ないので実は組織は人ですらない可能性だってあります。
そして倫理観がないように見えて最後のアイリーンにはなぜか寄り添って?能力が完成されたにも関わらずループを受け入れるのも割と謎です。
反感持たれたままだと制御出来ないと思ったんですかね?
でもそれなら記憶に縋るくらいですし、イヴの複製もして娘は生きてたよーってやっても良さそうな。
色々と疑問点やら並び立ててもこの組織の目的は最初に言った通り最後まで結局よく分からない。
まぁそもそも主題からは外れた存在なのでただの舞台装置でしかないんでしょうけど、こういうのをあーだこーだ考えるのもたまには楽しいということで。
まとめ
思っていたのとは違う展開、ラストでしたがこれはこれで結構好きな内容でした。
こういう愛故に報われなさに浸るラストというのは刺さるものがあります。
予告を見るとある程度内容が分かってしまうのが玉に瑕ですが、このラストは意外と思う人も多かったんではないでしょうか?
少なくとも自分はバトル物にシフトする思っていたのでこんなしんみりした内容になるとは予測できませんでした。
能力映画でもなくデスゲーム的な映画でもなくただただ母と娘の映画、そういうものだと理解したら好意的に見れる映画ではないでしょうか。
こういう系統のラストを見る度にハッピーエンドとは何ぞや?誰にとって?と思ってしまいますね。
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