【映画】クズの見本市! 炎のデス・ポリス ネタバレあり感想

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炎のデス・ポリス
©2021 CS Movie II LLC. All Rights Reserved

製作国

アメリカ

監督
ジョー・カーナハン
脚本
クルト・マクラウド
ジョー・カーナハン
出演者
ジェラルド・バトラー
フランク・グリロ
アレクシス・ラウダー
トビー・ハス
タイット・フレッチャー

今回はクズの騙し合いが見れる映画、炎のデス・ポリス(原題:Cop Shop)感想。

邦題だけを見るととてもはっちゃけた映画に思えるでしょうが、いざ見ると「道を踏み外したら悪魔に命を奪われる」

この言葉をベースに進行するとても道徳的な映画でありました。

詐欺師、殺し屋、サイコパス。そこに正義感溢れる警察官が加わる混沌とした展開は不謹慎な楽しさに溢れていますよ。

ジャンルはスリラーアクションで上映時間は約107分となります。

ここが見どころ!

やばい奴らによる騙し合い

意外と道徳的なテーマをベースにしたストーリー

フランク・グリロ

あらすじ

ある夜、砂漠地帯にたたずむ警察署に、暴力沙汰を起こした詐欺師テディが連行されてくる。マフィアのボスに命を狙われ避難場所を求めてわざと逮捕されたのだ。しかしマフィアに雇われたスゴ腕の殺し屋ボブ (ジェラルド・バトラー) が泥酔男に成りすまし留置場のお向かいさんとなったから、さぁ大変。新人警官ヴァレリーの活躍によってボブのテディ抹殺計画は阻止されるが、マフィアが放った新たな刺客、サイコパスのアンソニーが現れて署員を皆殺しにし、小さな警察署はまるで戦場のような大惨事に…。孤立無援の危機に陥ったヴァレリーと裏社会に生きる3人の男たちによる壮絶な殺し合いを生き抜き、朝を迎えられるのは誰だ!?

DMM TVより
FilmIsNow Movie Trailers Internationalより

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※2024年1月10日時点

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登場人物

ボブ・ヴィディック

殺し屋

テディの殺しを依頼されわざと警察に捕まり接触した

テディ・マレット

詐欺師

大物相手に詐欺を繰り返し命を狙われ、わざと警察に捕まり身の安全を確保しようとした

別れた妻と子供がいる

ヴァレリー・ヤング

ガンクリーク警察署の警官

テディに殴られ彼を逮捕した

銃に拘りがある

アンソニー・ラム

サイコパスな殺し屋

テディを追ってきたもう1人の殺し屋で警察を皆殺しにする

ヒューバー

ガンクリーク警察署の警官

署長からは厳しくあたられている

裏でヴィディックとラムと繋がっている

正にクズの騙し合い!邦題よりは真面目なストーリー

すんごいB級臭漂う邦題、そしてはっちゃけていそうな印象を受けるあらすじ。

これらに反して意外と真面目に進行するのが本作です。

炎のデス・ポリス
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命を狙われている詐欺師のテディがわざとヴァレリーを殴って捕まり、
彼を追う殺し屋のヴィディックもまた酔っ払いのふりをして捕まるという、
この流れだけでも絶対にはっちゃけてるだろうと思う流れですよね。

個人的には要塞警察的なノリを期待しておりました。

警察署を巡ってこの2人以外にもう1人とんでもない男がやってきて3人のクズ男と1人の正義感溢れる女性警察官ヴァレリーという構成。

この4人がヴァレリーの祖父が遺した「道を踏み外すと悪魔に命を奪われる」という極めて基本的な道徳的な言葉をテーマにしてストーリーが進んでいくのです。

先ほども言った通り思いの外にはっちゃけてはいません。
序盤から中盤までは捕まっているテディとヴィディックの問答だけで話が進むくらいなので。

ですが序盤から後半とラストに活きる描写なんかはしっかりと張っていてここら辺は好感持てます。

署長が娘へのプレゼントとして買った銃とかね。

特にテディに関しては詐欺師らしくなかなか上手く人物描写を誤魔化しているなぁと思いましたね。

妻子を奪われた人間としての真っ当な感情表現をしながら
しかし、詐欺師という立場なので人を騙すのはお手のもの。
彼の行動が最後までどっちに転ぶのか信用しきれない、これが面白さの1つですね。

テディを狙う殺し屋という信用しきれないヴィディックが忠告しているというのもまたミソですね。

そして、そんな停滞している中盤までに一気に話を動かすのがもう1人の殺し屋であるラム。

彼が単純に面白い…といっても不謹慎な方向な面白さですが、
作中でも言われている通りサイコパスな殺し屋でヴァレリー以外の警官を皆殺しにして一気にテディ達に迫ってくるとしっかりと話を動かしてくる存在でしたね。

彼がこの映画でのはっちゃけ担当ですかね。

ここでの留置場でのヴァレリー、テディ、ヴィディックの誰を信用するかの問答をダラダラ続けているだけなので、
ここは正直長くて無駄が多いかなと感じるところで攻めてくるラム側の方がやはり動きがあるという意味で楽しいんですよね。

後半ではこの面子なのにまだかよ!と思わせていたアクションがようやく見れるようになり、これが短めながらなかなかのバイオレンス。

ラムとヴィディックの決着はあっさりとしたものですが、短いながらに実にエグめにやってくれて殺し屋同士ならやはりこうでないとって感じですね。

そしてクライマックスの銃撃戦、これが今までの大人しさというストレスから一気に解放されたかのようにいい銃撃戦が見れます。

退屈と思われた序盤からのやり取りが何気に活きるのも上手く、
死んでいった警官達とヴァレリーのやり取りや署長のプレゼント、テディがそれとなく見ていた武器庫などここら辺がしっかりと回収されていくのです。

ちなみに燃える警察署の中での銃撃戦なので邦題も回収されます。

ラストは役者的にはそりゃ当然お前が掻っ攫うよなと思うラストでしたが、
ヴァレリーの正義感も遺憾無く発揮され彼女の戦いはこれからも続くといった感じで懐かしいノリのラストでしたね。

離れている2人が同じ歌をハマり合うのがまた乙なもので。

「道を外すと悪魔に命を奪われる」最後の彼もヴァレリーに追いつかれた時にどうなるのかそれは映画外の物語となるのですがこれがテーマと考えると…どうなるのかは分かりそうな気もしますね。

3人のクズな男達

この映画に出てくるヴァレリーを翻弄する3人の“クズ”な男達。

でも彼らの“クズ”故の魅力こそがこの映画の魅力、というわけで彼らについてそして彼らの命を奪う悪魔について語りたいなと。

テディ・マレット

炎のデス・ポリス
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物語りの始まりとなる男ですね。
演じるのはが大好きフランクグリ

今回は長髪で登場と彼にしては珍しい出立ちでこれも魅力的ですね。

ラムに誰も見てないサムライ映画のトム・クルーズかと言われるのですが、向こうのラスト・サムライってそんな扱いなんですかね?

テディのポジションは詐欺師と人を騙す職業だけあって後半までどう転ぶのか分からないのが彼の“クズ”としての魅力ですね。

結構彼については上手く動かしており、詐欺師という立場故に信用ならない、
しかし、元妻と子供を気にかけ彼らがラムに殺されたとしると怒りを感じているように見えると。

これらがあり一度はヴァレリーに信用される存在ではありました。

何ですが彼はやはり詐欺師。

ヴァレリーから同情を買うように騙して裏切るというムーブを見せて上手く全員殺して逃げようとしたところを見透かした(のかヴィディックを信用したのか)ヴァレリーとのラストの銃撃戦の相手になると。

これこそ正しくクズムーブ、しかも上手く同情を使うところがいいですね。
実際には元妻と子供に対しての情だけは本物だったと思いますが、それはそれとして利用もするよというね。

そんな彼の命を奪う悪魔はヴァレリー…ではなくヴィディックとなったわけですが、役者的に好みな2人による決着は実に自分得でした。

ボブ・ヴィディック

炎のデス・ポリス
©2021 CS Movie II LLC. All Rights Reserved

メインなのに意外と影が薄い男。

ジェラルド・バトラーを使いながら影が薄めと贅沢な存在なのですが、役者的に最後に掻っ攫うのもやはり彼でした。

いや本当に彼は真っ当に殺し屋すぎて本当途中まで影が薄いのです。

ヴァレリーにもテディを信じるなと再三言うのですが詐欺師と殺し屋なら、
事情もあるし詐欺師の方信じるかなと自分の言葉を信じてもらえませんしね。

しかし解放されてからの活躍はラムとの殴り合いは圧倒するというのは凄腕という設定の面目躍如を果たしたといったところでしょう。

まぁ、その後にテディに撃たれるんですけどね!

そんな撃たれた後も凄腕だからかちゃんと生き延びてテディを殺すという仕事を終わらせ、
繋がっていたヒューバーが確保していたブツを取って逃げるという最後の最後にいい“クズ”ムーブを披露してくれます。

彼にとっての命を奪う悪魔は作中内では登場しませんが、
最後にヴァレリーが怪我を押して彼を追いかけるところを見ると彼の悪魔は決まったようなものかもしれませんね。

アンソニー・ラム

炎のデス・ポリス
©2021 CS Movie II LLC. All Rights Reserved

物語を動かす男で悪く言えば舞台装置的な存在です。

分かりやすくサイコパスな殺し屋を演じているトビー・パスが実にいい表情を見せてくれました。

1番分かりやすい“クズ”で彼の活躍はこの映画の不謹慎な楽しみを提供している全てといってもいいですね。

最初の警察襲撃時点でイカれっぷりと腕の良さを見せつけてくれますし、

躊躇なくマシンガン撃ちながら迫ってくるところとか最高。

更にヒューバーとのやり取りなんかも実にイカれ感出してていいんですよ。

俺は殺し屋だから殺人が労働だ、警官は人殺しが仕事か?と抗議してきたヒューバーに語るのは本当いい性格してると思います。

テディの家族を殺したのも彼でどう殺害したのか赤裸々に語って彼を翻弄したりなど倫理観の欠片もない正真正銘な分かりやすい“クズ”ポジションでしたね。

そんな彼に訪れる悪魔はテディ、文字通り復讐をされてあっさりと退場となります。

本音を言うと彼には粘ってテディ、ヴァレリー、ヴィディックの協力をもっと促すような展開にして欲しかったんですが、
停滞した状況の彼ら動かざるを得ない状況にするだけの舞台装置で終わってしまいましたね。

まとめ

邦題含めて昔懐かし感のある映画でしたね。

騙し合いの展開とラストのアクションは良かったのですが、ラムが現れるまでの展開はちょっと問答だけで退屈でしたかね。

せっかくいい役者陣が揃っていたのでもう少し騙し合いをするにしても明確な協力とアクションからの裏切りの方が見たかったかもしれません。

ただ役者の演技は文句無しでしたし、自分はフランク・グリロ目当てでしたが、
ヴァレリー役のアレクシス・ラウダーの銃捌きなんかは惚れてしまうものがあり正直彼女の映画だなと思いますね。

邦題からはっちゃけを期待するとあれですが、「道を踏み外したら悪魔に命を奪われる」

こんな基本的な道徳をベースに進行する映画もこれはこれで悪くないかなとは思える映画でもありましたね。


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