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製作国
フランス
監督
ギヨーム・ド・フォントネ
脚本
マット・アレクサンダー
出演者
マリーヌ・ヴァクト
エマニュエル・ベルコ
スリマヌ・ダジ
ニールス・シュネデール
グレゴワール・コラン
リオネル・アベランスキ
今回はアマプラにて鑑賞の映画、Miss.イコライザー(原題:Badh/Agent Zero)の感想。
原題を見ても分かる通りにB級お馴染みの邦題のつけ方。とはいえわざわざイコライザーを選んだということはそれなりにどこかかしらにそのイコライザー要素が欠片ほどにはどこかにあるのだろうと期待して見てみたのですが果たしてその内容は…?
ジャンルはアクションで上映時間は約85分となります。
(C) 2025 M.E.S. PRODUCTIONS – CALT CINEMA
目次
あらすじ
フランス対外治安総局・DGSEの秘密工作員・バドは、シリアの武器商人暗殺の任務中、上層部からの命令を拒否したために命を狙われ、間一髪で窮地を脱出する。7年後、バドは名前を変え、モロッコで警察官の夫・イリアスと平穏な新生活を送っていたが…。
U-NEXTより
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登場人物
・バド
元フランス対外治安総局・DGSEの秘密工作員、7年前に上官からの命令を拒否して退職する
現在は警察官の夫イリアスと暮らしているが彼が銃撃に遭いその報復のために行動した結果過去と現在が繋がることになる
・ジョアナ
DGSEの一員でバドのかつての上官
・マンスール・クーリー
闇の武器商
息子達がバドに殺害されたことを知り、彼女を始末しようとする
・イリアス
バドの夫で警察官
マンスールを追っており彼の組織から内部密告を受けるがそれを知った彼の息子達に銃撃され意識不明の重体となってしまう
ざっくり概要
ここからはいつも通りに途中までのざっくりとした内容を。
1985年仏情報局DGSEは極秘部隊アルファを設立した、選び抜かれた工作員で構成されフランスの敵とされた者を消している、その活動や正体は全て極秘だ。
シリア ラッカ 2018年。
DGSEの工作員バドは作戦のために侵入した敵地での始末を終えるが、そこにいた自分の顔を見た子供達も後始末しろいう命令に従えず離脱するもその直後に別の工作員が建物を爆破する。
自分諸共始末しようとした組織に納得出来ずに彼女は退職をするのだった。
モロッコ エッサウィラ 7年後。
バドは夫イリアスと平穏な日々を過ごしていた。だが犯罪組織からの内部密告を受けたイリアスはそれを知った組織に狙われてしまう。そして共に食事を取っていたバドが席を立った直後にイリアスは銃撃され意識不明の重体となる。

イリアスの同僚レダから監視カメラの映像について教えられるバド。イリアスは犯罪組織の男マンスール・クーリーを追っており、この銃撃はその息子の仕業だと判明する。しかし検事は証拠が足りないとして逮捕出来ないとして彼らは逮捕されなかった。
イリアスが生きていると知ったらまた始末に来る。前に住んでいた部屋にイリアスを移すのだった。そしてバドはクーリー兄弟の元に直接乗り込み彼らを始末するが警察に捕まってしまう。
マラケシュ。
組織のボスであるマンスールは息子達の死を知り息子達を殺したバドの素性を調べろと命令する。

パリ フランス。
バドの逮捕とマンスールの指示によってDGSEはバドの居場所を特定する。テロ防止の情報源としてマンスールと繋がっているDGSEは彼に望む物を与えて怒りを抑えようとする。
バドは牢の中でレダに素性の説明を求められるが黙秘する。そして3日後に刑務所へと移送することを聞かされる。
その頃DGSEのジョアナはモロッコに直接出向きバドが刑務所に行き見せしめにされるだろうということを聞かされるのだった。マンスールと接触するジョアナ、バドについては自分達に任せて彼を制止しようとする。
刑務所への移送の日。移送車に乗る前にバドを始末しようと牢に乗り込むマンスールの手の者達。それを掻い潜りバイクを使って脱走するバド。そのまま街中で追われるが海に飛び込み逃走することに成功する。
傷を負いながらイリアスを匿っている部屋に辿り着くバド。治療をするがまだ目覚めないイリアスを見て部屋に隠してあったかつての装備を取り出す。更にかつての仲間であるサムと会うメールを投稿する、その情報を知ったDGSEはバドの監視を始めようと目論む。
バドを監視しようとするDGSEだが日除けを使い目をくらましながらバドはサムと接触する。
そしてサムからジョアナがマンスールと接触していたこと、7年前のラッカの頃から組んでおりそれによってマンスールはISISの最大の武器商になったこと、ジョアナは必ずマンスールを守るだろうと知らされる。
マンスールとの交渉役“フランス人”と名乗る絨毯商についての情報を得るバド。サムは自分が接触するのでバドはその間に逃げろと言うが、バドは彼を巻き込まないようにコーヒーに薬物を仕込み彼の意識を奪う。
情報を得たバドと彼女を追うDGSEの工作員アレックスはそれぞれ“フランス人”の元へと向かう。そしてそこでバドは7年前の真実を知ることになるのだった…
感情がリンクしきらないクールさ
本作の主人公のバドはフランスの元工作員で犯罪組織とかつての組織の間で立ち回るいうポジション。
イコライザーという邦題をわざわざ選んでいる邦題担当ですが、本作とは中身が全然違うというか引っ掛かてもいないです。
イコライザーは姿を消して隠居しているけど別に追われてはいない。日々の努力や奉仕に対して報われていない人々を自身の経歴や衝動を持って救う内容ですが、こちらは別に自主的に動くシーンもなければ人々のために動いているわけでもないですからね。
B級邦題なんてこんなもんとは思いますが、もう少しつけたタイトルから期待させる要素には引っ掛けるようにアレンジタイトルは選んでほしいところではありました。
そんな邦題に対する苦言はそこそこに本作のストーリーですが、一応かつての作戦と現在の事件がリンクする政治劇な部分もあるストーリです。
冒頭で主人公バドがシリアの敵地に侵入して兵士を始末した後にその建物にいた女子供も始末しろと言われたがそれに従えずに退職してしまう。
最初に能力の優秀さと人間性を示す形で始まるわけですね。
そして姿をくらませている間に得た警察官である夫イリアスとの生活、その現在の安らぎをイリアスが犯罪組織からの内部密告を受けたことによりその始末のために行われた組織からの銃撃によって奪われる。
そして検事まで掌握して逮捕されない彼らを自らが始末して逮捕されてしまう。その行動によって裏武器商人に狙われ、更にそこと繋がりを持っているかつての組織DGSEにもバレてしまう。
そういった人情、大暴れ、露見、復讐、そして過去と現在が繋がる真実、このピタゴラスイッチのような連鎖がこの映画のストーリーの構成です。

これだけだと複雑化した話に見えますが、実際にはかなりシンプル。
ざっくり纏めると政府の組織であるDGSEは冒頭の7年前にバドが参加していた作戦によって自分達と繋がりのあるマンスール率いる犯罪組織を押し上げる。それによってこの組織をISIS相手の最大の武器商人とすることでテロの情報を事前に掴めるようにしたという構図です。
この部分だと清濁併せ持つ政治劇。しかし現場に…実際に携わった人間には納得出来ないという話になりそうですが、本作のバドは正直そこまでの熱意はないように見えます。
確かにバドは7年前の作戦に参加していて、そして偶然にもマンスールの組織によって夫イリアスが銃撃されてまたこの2つに関わることになる。
なんですがバドの目的はあくまでイリアスが生きていることが分かれば彼がまた狙われる。それを防ぐためにマンスールの組織を潰そうとしている、それだけなんですよね。
なので不正や真実を暴くとかそういったモチベーションの元に行動せず、良くも悪くもドライなのでここら辺の政治劇の要素というのは戦わせるための巻き込ませるための理由付けくらいにしか作用していないかなと思います。
実際に現実の用語であるISISとか出されてこの清濁併せ持つ政治劇を見ても良くある映画的な物だなとしか思えなかったのも理由ですね。
で、そこでちょっと見ている身として困るのがバドのクールさ。

政治劇に対してもドライなんですが、個人の感情である夫を守るための行動すらクールにやろうとし、最後のかつての上官ジョエルに犯罪組織との繋がりを指摘するシーンやマンスール射殺の瞬間すらクール。見ている側としてはなんともモチベーションを合わせ辛い。
作中においては間違いなく夫を守る。バドの行動はその一心なんですよ。でも感情を表に出しすぎないのでクールでスタイリッシュな佇まいではあるんですが、イリアスに対してのバドのモチベーションをもう少し見せて欲しかったのが本音。
彼との馴れ初めなどは一切なく安らぎを与えてくれたという存在でしかないので、舞台装置的になっているのが勿体無いんですよね。
政治劇なんてほったらかして個人のために戦うという自分優先な構図なのですから自分をエゴを出すような感情は見たかった。
感情を見せないクールでスタイリッシュだからこそ瞬間の激情。特に怒りや悲しみではなく愛情によってそれが大きく発露する瞬間が見たかったと思います。
それこそその一瞬があればバドとの過去のシーンが無くても彼女にとってどれだけ大きな存在なのか絵だけで雄弁に語れるでしょうから。
こんな感じでどこまでも夫のためにクールにかつての組織と犯罪組織相手に立ち回る本作。

個人の激情と守るための戦いが過去と繋がったってだけでどこまでもやり切るという動機には薄いのでそれも当然。
だからこそ最後のジョアナを見逃すという行動に繋がるんでしょうけど、ただこの場合DGSEに狙われてしまうのか、それとも情報を持っているからこそ狙わないのかは怪しいラインではありますね。
ここまで書いて改めて振り返ると原題のタイトルがBadhと主役の名前だったり、元組織の政治劇だったりどちらかと言うとイコライザーよりはジェイソン・ボーンとかそっちに近いですね。
そう考えると確かにジェイソン・ボーンは邦題的にアレンジしにくいのでしょうがないと言えばしょうがない…のか?
静かなアクション
本作のアクションですがバド同様にとても静かなアクション。
まず個人的にB級アクション映画で基準となる冒頭10分以内でのアクションシーン。
冒頭から粘り強く何日も対象の行動を監視してその対象と本命の間で交わされる合図を把握する、その合図を使って本命に乗り込むなど工作員としての地味な描写が強めなところから始まる。
そうなるとアクションはやはり静かな物に。
だからと言ってつまらないかと言うとそうでもなく、冒頭でも把握した合図で対象がドアを開けた瞬間に手早く銃で2人始末して侵入する、静かに忍び寄り可能な限り気付かれずに始末する。
こういった静としてのアクションの洗練さが見れるのがこの映画のアクションの魅力だと思います。
ルッキズム丸出しな事言うとバド役の俳優さんが美人なのでスマートなアクションが似合うのもいいですね。

それにカーチェイスですら派手なBGMを流さないのでどれだけ静を重視してるのかが分かります。

そのカーチェイスは長いのにカット割りしまくるのでちょっと酔いそうになるのが玉に瑕ですが…
逆にメインの相手となる犯罪組織は暴力描写が荒々しいのでここはいい対比になっていて、アクションは派手さがないジャンルとしては高評価。
ただB級に染まり切った筋肉思考のアクション脳だと最後はシチュエーション的に期待したものが見たかったのも本音。
最後の戦いの舞台は武器の取引現場。だからこそその武器群を使った今までの静から解放されたかのような派手な物を期待したのですが、実際には初っ端でスナイプ。その後はかつての工作員同士の地味目な肉弾戦。
プロ同士だとそうなるものなのかもしれませんが、最初から最後まで自分の求める筋肉アクション脳なんて気にしないプロフェッショナルに徹した映画でありました。
まとめ
邦題から期待出来る内容とは違いましたが、1本の映画としては悪くなかったです。
勝手に政治劇をやっている組織を無視して夫を守るためだけに戦う元工作員という構図はいいですし、バドのクールさは見惚れるものがあります。
ただ自分はイコライザーと聞いたら人情を期待するし、B級アクションと思ったら筋肉な派手めなアクションも1つ期待してしまうんだというだけなのです。
なのでこれは邦題担当が悪い。大作タイトルにあやかるのならちゃんとその要素に引っ掛かるようにするべき。毎年出るアルマゲドンだってちゃんと地球の危機という共通点はあるのだからイコライザーだって元工作員が報われない戦えない人のために力を振るうべき。そこら辺の最低限のプライドを持って邦題を考えてほしいなと思いますね。
邦題に対しての愚痴が多くなりましたが、逆に言えばその邦題とのギャップ以外はそこまで気にならずに楽しめた映画という事です。
派手さもないしクールすぎて感情のリンクは難しいですが、話を俯瞰してみるなら面白い方の映画だと言えますよ。
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