【映画】トリガー・ウォーニング 感想 バレバレなオチをメインに据える必要はあるのか?【Netflix】

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製作国

アメリカ

監督
モーリー・スリヤ
出演者
ジェシカ・アルバ
マーク・ウェバー
トーン・ベル
ジェイク・ウィアリー
ガブリエル・バッソ

今回はネトフリオリジナル映画、トリガー・ウォーニング(原題:Trigger Warning)の感想。

特殊部隊所属の女性が事故死と思われた父の死の真相を追求するというサスペンスリベンジアクション。

この内容に期待するのは大体分かりきった結末になる真相そのものよりもリベンジとしてのカタルシス…だと自分は思っています。

死の真相を巡って追求する過程で父を知り、より復讐の意思を燃やし、
陰謀を暴くにつれ妨害が行われ、それを返り討ちにしながら突き進む、そんな強い女性を見たい物…

そこにリアルさはいらず映画的な見どころを重視して欲しいもの。

なんですが、これらの力の配分をミスると中途半端になるというのがよく分かる内容となっていました。

1つ1つの要素は良さげなのにバレバレなオチの部分をメインに据えたせいでうーん、となるような実に勿体無い映画でしたね。

ジャンルはアクションで上映時間は約106分となります。

あらすじ

最愛の父の死をきっかけに故郷に舞い戻った特殊部隊員が、その死の真相を探るなか、悪しき陰謀を暴いていく。

「マルリナの明日」のモーリー・スルヤ監督が、ジェシカ・アルバの主演で贈るスリルあふれるアクションサスペンス。

Netflixより

登場人物

パーカー・カルヴォ

特殊部隊に所属しているラテン系の女性

鉱山で最愛の父が落盤により亡くなったことを知り、町に帰ってくる

父の死の不審な点に気付き1人調査を始める

ジェシー・スワン

町で保安官をしている男性

上院議員のエゼキエルの息子

エルヴィス・スワン

ジェシーの弟

子供にドラッグを売りつけるなど昔から評判の良くない男

現在は陸軍の倉庫で働いている

ハリー

鉱山の落盤事故で亡くなったパーカーの父

死亡前に鉱山に監視カメラを設置するなど何かに気付いていた節があった

マイク

鉱山でハリーと共に働いていたパーカーの友人

ハリーからは信頼されており経営していたバー“マリアズ”の手伝いなどもしていた

ハリーの遺体を最初に発見した人物

エゼキエル・スワン

ジェシーとエルヴィスの父であり上院議員

スパイダー

パーカーの特殊部隊での同僚

ハッキングが得意でパーカーにハリーの監視カメラの映像を解析することを頼まれる

ざっくり概要

いつも通りにまずは中盤までのざっくりとしてストーリーを。

軍の特殊部隊で活動している女性パーカー。

軍の任務を終えた彼女の元に故郷の保安官ジェシーから最愛の父であるハリーが職場の鉱山の落盤事故で死亡したことを知らされる。

父の死を受けて故郷に戻ってきたパーカー。

そこでジェシーから聞かされたのはハリーの手紙が残っており意図的な落盤で自殺だったのではないか?という疑い。

どこにでもある手紙の内容からその考えを一蹴しジェシーもそれに同意してやはり事故死として扱われる。

父が亡くなったことで経営していた祖母の名前にあやかったバー“マリアズ”の売却をジェシーの父であり上院議員のエゼキエルの支援者に買い取ってほしいと打診するパーカー。

父がいないのであればもう帰る理由もないからと…

“マリアズ”に立ち寄り父の死を悼む最中、店に友人であるマイクがやってくる。

ハリーと共に働いていたマイクは彼の遺体の第一発見者であり、パーカーは事故の様子と最近の父の様子について尋ねる。

マイクによるとハリーは鉱山の中に監視カメラを増やし、鉱山の中で過ごすことが多くなっていたとのこと。
そして事故現場に到着したパーカーはその落盤の岩の表面が全て同じで爆発物が使われたような不審な形跡を見つける。

マイクとバーで飲むパーカーの元にジェシーの弟であるエルヴィスが絡んでくるが、それをあしらうパーカー。

飲み終えたパーカーとマイクの2人はバーの駐車場で不審なトラックを見つける。車内にある機関銃、そして最近町で頻発している強盗事件。

この2つに関連性があると考えたパーカーは不審なトラックをマイクと共に追い、予想通りに強盗の現場を目撃する。

1人乗り込み強盗を全員返り討ちにしたパーカー。その強盗の1人が父ハリーがかつて友人にあげた腕時計を身につけていたことに気付き、彼に再び腕時計を渡しに行く。

一夜明け車のメンテナンスをしていたパーカーの耳に鉱山の方面からの爆発音が響く。

急ぎ鉱山に向かうとそこにはエルヴィスがRPGを撃っている姿が。
軍でしか手に入らないような物がなぜ彼の手元にあるのか?そしてなぜ鉱山付近で試し撃ちするのか彼女は父の死に更なる疑念を深めて調査を始める。

部隊の同僚であるスパイダーに父が鉱山に設置した防犯カメラをクラウドにハッキングして調べてもらうように頼むパーカー。

そこには父が亡くなった日に鉱山にエルヴィスの使用しているトラックの姿が映っていた…

スパイダーにエルヴィスについて調べてもらうと彼はダーク・ウェブを使って軍で使われている銃器を売買、
マイクから話を聞くとエルヴィスは現在は陸軍の倉庫で働いていると点と点が繋がっていく。

再びスパイダーからの情報で今度は自宅で取引をすると情報を得たパーカーはスワン家に忍び込み取引の現場を確認する。

そこには怪しげな男とRPG5基を調達すると契約するエルヴィスの姿があったのだった。

父の火葬を終え、ジェシーとエゼキエルに招待されたパーカーの元にまたまたスパイダーからエルヴィスが今度は鉱山に向かったという情報が。

ジェシー達との会話を打ち切り急ぎ鉱山に向かったパーカーは鉱山内部にある父の部屋を漁るエルヴィス達を目撃する。

父の死の真相を聞き出そうとナイフを突きつけるパーカーだったが、エルヴィスの仲間の1人が“マリアズ”に火を放ったのを見て“マリアズ”に向かう。

仲間の1人を返り討ちにしたパーカーは彼を火の海に落とし自身も脱出。そして再びエルヴィスを追求しようと彼を拷問する。

しかし、そこに現れたジェシーによりパーカーは逮捕されてしまう。

保安局でエルヴィスの危険な取引を嗜めるジェシーだったが、兄と父が自分が金を手に入れるから権力を維持出来ていると主張。

勾留されたパーカーは事件の真相を知られたと思ったスワン一家に拷問を受ける。
監視カメラの映像を奪おうとする一家だったがパーカーは彼らが揉めた隙を見て保安局から脱出する…

選挙活動、権力の維持、これらの資金繰りのためにエルヴィスを使い、裏取引で資金を得ていたスワン一家。

その真相を知り殺害されたハリーと追われるパーカー。

最愛の父を奪われたパーカーのリベンジが始まる。

オチが読めている部分をメインに据える意味は

この映画は父ハリーの死の真相を巡るサスペンスと黒幕を特殊部隊の女性が薙ぎ倒すというリベンジアクションという2つの軸で進む映画。

しかし、この2つの軸でオチがバレバレなサスペンスの部分をメインにしてしまった結果、
何もかも半端な映画になってしまっていたなというのがこの映画の印象です。

メインに据えられた父の死の真相と黒幕という部分。

これぶっちゃけ登場人物の配置でどちらもはっきり言ってわりかし序盤の段階でバレバレなんですよね。

地元の上院議員とその息子の保安官とドラ息子なんてこの配置だけで絵に描いたかのような黒幕じゃないですか。

ドラ息子が軍の倉庫で働いて密かに倉庫から父ハリーの鉱山へと繋がる穴を掘り、それを横流しして違法取引で金を得て父の選挙資金を稼ぎ、父が上院議員なことで保安官としての地位も守られるという、こんな捻りもない悪役連中。

寧ろ軍に気付かれずにあんな距離の穴を掘れたことの方が最大の謎の1つになっているよ!

なのでストーリー運びとしては驚きなんて一切存在しない。
その癖サスペンスとしての大人しさだけは他の部分に影響与えているんで、
バレバレなオチのサスペンスというジャンルに引っ張られて派手にすべき部分が大人しくなってしまうという本当に中途半端な出来なんです。

個人的な意見になるのですが、オチがバレバレなサスペンスなんて言うのは登場人物の動機と舞台を整えるくらいの役割にしかならないと思っているんですよ。

そうなると整えた舞台で過程を楽しませるのがバレバレなオチの役目だと思っているんですが、まぁバレバレな展開なのにみんな気付かないだろ?くらいのノリで進行するんで見ている側と登場人物との感情の温度差が激しい。

そんなメインに据えたサスペンスも謎解きがあまりにも仲間の便利ハッカーに頼りすぎているというか、監視カメラの映像解析も証拠を掴むきっかけも全部ハッカーのおかげという深く語れる部分がないというね。

そんなんで解決に導くとか一昔前の映画か、アクションメインでストーリーはガバガバ進行の映画でやるようなことなんでこっちも半端っちゃ半端なんだよなぁ。

こんなバレバレに引っ張られた結果、アクションもリベンジも悪役としての美学も全部思ってたんと違う!という感想になってしまいましたね。

メリハリがないアクション

まずはもう1つの軸であるアクション。

こちらが実に中途半端になっておりまして、開幕はパーカーの強さを証明させるかのようにドンパチをやるのに故郷に帰ってからはその伏線を放り投げたかのように大人しいこと。

とにかく合間合間でのサービスが少ないんですよね。

基本的にこの映画でのパーカーの戦闘手段って殆どナイフになっていて派手さがまるでないんですよ。
それが強盗であろうと、スワン一家相手であろうともです。

故郷の町中なので派手にやるわけにはいかないなんて最もらしい理由は流石に自分でも分かります。
でも別に映画としてそんな大人しいリベンジアクションが見たいか?と言ったらそんな理由じゃ片付がないんですよね。

まぁ先ほども言ったように途中までは町中なのでしょうがないという理由はあります。
でも流石に最後はドンパチやれるだろうし、やるための舞台をしっかりと整えているじゃないかと。

スワン一家のエルヴィスの取引相手がテロリストな訳なんですが、そいつらに武器を横流しするために鉱山に武器を隠しているわけですよ。

で、そのテロリスト連中との戦闘はそんな火薬庫になっている鉱山の中で同僚のスパイダーもやってきた状態で会戦となる。

そんなシチュエーションなら当然派手なドンパチを期待するじゃないですか。

でも蓋を開けたらまさかのスニーキングアクションでやっぱり殆どナイフで始末と。
これ作劇的には正直テロリストを出した意味が無いんじゃないかと思うくらいなんですよ。

ナイフを使うこと自体はナイフに纏わる思い出が父との回想で強調されたので使用するのは分かるんですが、
ですがその刃は復讐相手たるスワン一家へ振り下ろす時のみに使い、
如何にもドンパチ用に湧いたテロリスト相手なら銃撃戦とメリハリと気持ち良さやエモさが欲しかったわけですよ。

要はこのテロリスト連中は都合良く湧いた割にはスワン一家の罪を分かりやすく表現するための存在にしかなっていなくて、アクション的な見どころとしての存在にはしていない。
ここら辺にサスペンスメインにしたことによる中途半端感を覚えるわけですよ。

悪役の美学もカタルシスもないリベンジ

んでその肝心要のリベンジ部分もとても中途半端。

黒幕たるスワン一家に復讐の牙を向けるというのがこの映画における1番の見どころとなると思うんすが、そこにカタルシスがまるでない。

エゼキエルに関しては殺害シーンなんて映しませんし(そもそも殺害してるのかも不明)、
主犯に近いエルヴィスに関しても殆ど揉み合いの末という感じで恐怖と後悔を与えて思い知らせるというリベンジにはなっていない。

何より最悪なのが保安官ジェシーのラストですよ。

彼を追い詰めたパーカーにジェシーが行うのが手榴弾のピンを抜いて自爆をチラつかせるという行為。

ここまではみっともなく足掻いている感じがしていいんですが問題はその後のパーカー。
彼女、ジェシーを自爆させまいと説得して、彼を思いとどまらせようとするんです。

…いやいや、リベンジアクションとして父の直接の仇相手にそ行動はまでの話の否定に近いんじゃないかと。

こういう状況で彼女に期待するのは自爆を思いとどまらせるフリをして手榴弾を奪った後にナイフで一刺し、これが期待された物だったと思うんですよ。
これをやらなかったことで復讐者としても半端な作りになってしまっていましたね。

おまけにジェシーが死に際に言うのが「この町は人を飲み込むブラックホールだ。」という言い訳。

こんなんハァ?としか言いようがないですよね。

この町の構造を作ったのはお前らスワン一家だし、それをブラックホールだとか言ってるのは意味が分からない。

ラテン系住民の町…なんて差別や政治的な伏線は張ってはいますが、別にそれによる不利益も利益も特に描写されていないのでジェシーの最後の発言は全く持って意味不明な物になっているんですよ。

どう考えても好き勝手してた連中にこんな発言させるんであれば相応の描写を入れてくれと、
もしくはあまりに自分達にとって都合良く上手く行くバカな町なんで金と権力を際限欲しくなっちまうんだ的な意味でのブラックホールにしてほしかったですわ。

なんか政治的な要素と発言をすればそれっぽいだろ感あって、その癖そこの描写は怠っているのでやっぱ中途半端なんですよねぇ。

パーカーの変な情けはリベンジをジェシーの唐突な謎の後悔の吐露は悪役としての美学を、
これらそれぞれを損ねてリベンジ物としての肝心要のカタルシスを中途半端にしてしまっていて何とも消化不良感の残る決着でした。


まとめ

申し訳ないですけど、大分ガッカリ感強めな映画でしたね。

最近のネトフリはセーヌ川の水面の下になど、政治的な部分や主張などはあくまで舞台作りとして使うだけでジャンルとして見たい物は絶対これだろぉ?と、
高い金かけてジャンクなノリの物をお出しされる分かっている映画が多かったので本作にもそれを期待していたんですよね。

でも実際はオチがバレバレな部分を1番メインに据えて、強調して期待される部分を大人しくしてしまうというね。

リベンジアクションなんですから復讐者としてのアクションやカタルシスを重視してそれに応える映画にして欲しかったですね。

復讐に溺れるからこそ善良…かはともかく付き合いのいいマイクという友人の尊さや復讐から元に戻って来れる理由にもなると思うんで、
今振り返ればそこら辺の人物配置も中途半端にしてしまっていましたね。

政治とか主張とかで歪な構造になるだけなら楽しめるかはともかく理解は出来るんですが、
本作はそこら辺の主張も弱いんで単純に力の入れどころを間違えただけのように感じるのがまた勿体無いというかつまらないというか…

やっぱね、見たい物をちゃんと見せるという1番大事な部分だけは外さないように作って欲しいもの。
同じネトフリでリベンジアクション見るならバレリーナとかそっちの方をオススメします。

ジェシカ・アルバが見たいと言うならこれ一択ですけどね。


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