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製作国
イギリス
監督
ジェームズ・ナン
出演者
ホリー・アール
ジャック・トゥルーマン
キャサリン・ハネイ
マラキ・プラー=ラッチマン
トーマス・フリン
今回は久しぶりにサメ映画、48hours ―悪夢のバカンス―(原題:Jetski/SHARK BAIT)
沖で孤立無援のパリピ達とサメとかそれだけでどう転んでも期待出来る内容なので楽しみにして鑑賞しましたよ。
蓋を開けてみたら真面目な方向のサメ映画でこれだけで好感度が高いストーリーでした。
何よりも日頃の行いを説いているかのような内容がパリピと相性抜群でしたね。
ジャンルはスリラーで上映時間は約85分となります。
・真面目なサメ映画
・日頃の行いを問われているかのような登場人物達の末路
目次
あらすじ
アメリカの大学生が最も羽目を外す春休み:“スプリングブレイク”。メキシコのビーチでテキーラを浴びて馬鹿騒ぎする男女5人組は桟橋に停められていた2台の水上バイクを盗み出し、沖へ出る。やがて、チキンレースに発展し、正面衝突してしまう。1台は大破し、もう1台はエンジントラブルで身動きが取れない。しかも、仲間のひとりが足に大けがを負ってしまい、助けを呼ぼうにも携帯の電波は届かない中、浮気騒動までも発覚。そして、壊れたバイクで大海原を漂うパニック状態の彼らをさらなる危機が襲う。なんと、そこは、凶暴なホホジロザメの巣窟だったのだー。
dTVより
登場人物
・ナット
春休みに友人達とメキシコに遊びにきた女性
友人達の中では常識的でお堅い性格
いつも“人のため”に行動している
・トム
ナットの彼氏
酔った勢いでミリーと一夜限りの過ちを犯してしまう
ナットの家族からは信頼されていた
・ミリー
ナットの女友達
この旅行でトムと浮気をしてしまう
カナヅチで泳ぐことが出来ない
・グレッグ
ナット達のグループ友人
酒好きでハメを外しすぎてしまう
度胸試しによる事故で骨を折り剥き出しになる重傷を負う
・タイラー
ナット達のグループの友人
度胸試しによる事故で身動きが取れない中ヨットに泳いで助けを呼びに行く
・物乞いの男性
車椅子の男性
ホホジロザメに襲われ足を失い車椅子になった
金を恵んでくれたナットに対して警告をする
この映画を配信している配信サービス
※2023年1月20日時点
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悪いことをしたらいけないよ
この映画、終始徹底してこんなテーマが入っていた気がしてなりません。
若さゆえの過ちやハメを外しても悪いことをしたらその行いにより色んな物に見放されて痛い目を見る…
行動に対しての報いが相応だったか?はともかくこのルールは徹底されていた気がしますね。
まぁ何というかお天道様は日頃の行いも見ているぞってストーリーというか展開でしたね。
春休みということでメキシコまで遊びにきた仲良し5人組、
品なく酒をかっくらって馬鹿騒ぎするという典型的なリア充パリピであり問題行動を立て続けに行ってしまい沖に取り残されてしまいます。
そもそも沖に取り残される状況になったのが既に問題行動の塊ともいう結果の内容でして、
水上バイクを見つけて貸し出しの小屋に誰もいないから鍵を破壊して借りるという名の盗みで海へと繰り出していったからという、
この時点で若いとはいえこいつら駄目だなぁ…という感想しか浮かばないんですよね。
しかも事前に酒を飲んでいるので飲酒運転、危険なのに沖まで走り、
更に度胸試しと言ってお互いをスレスレにまですれ違う危険運転までして案の定ぶつかって怪我してしまう…この時点で悪いことした自業自得な結果。
こんな碌でもない経緯で沖でたった1台になった水上バイクの上での5人のサバイバルが始まるわけです。
ここからの彼らは徹底的に運に見放されてツイていない、
運だけでは無く自分達の行いの結果、更に人にも見放されている形になってしまいます。
朝早くの馬鹿騒ぎなので気付かれる可能性は少ない、
そして海岸にゴミを散らかした結果清掃員は悪態を突きながら掃除に集中して沖に目を向けることもしない。
スマホを反射させて沖へと光を送って何とか気付かれようとしているのに自分たちの行いにより人からも見放されているわけですね。
ナット達、清掃員共に自覚がないのがポイント高いです。
更にそのスマホからナットの彼氏トムと友人のミリーとの浮気も発覚、この口論によりスマホを海へと落としてしまうと負の連鎖が続きまくります。
このスマホはトムによりすぐに回収されますが、ここで紛失していた方が面白くはなったかなぁと個人的には思っています。
そして運に徹底的に見放される点。
これはすごいです。最早運命なのでは?というレベルでの見放されっぷり。
水上バイクのエンジンは故障、電波は入らずスマホは繋がらない、人に気づかれる要素の岸に置いてあった持ち物は全て波にさらわれる、潮が変わり更に沖へと流される、そして何よりもサメの出現。
これは完全に天に見放されたといってもいいレベルの運の悪さ、元々は自分達がバカをやった結果により手繰り寄せてしまったものですが、まぁ行いと報いはまるで釣り合ってませんよね。
とまぁ自分たちの行いにより徹底的に運と人に見放されている点。
悪いことした人間が過剰なまでに不幸になるという内容です。
トムとミリーは浮気、グレッグは飲酒運転やゴミの散らかし、タイラーは鍵の破壊など彼らのハメを外した行いは自分達の不幸を招きこれが連鎖していく。
救いとなるのはナットがまともな部類なので、険悪になった結果の足の引っ張り合いには発展しなかったこと。
この手の映画だとストレス要因になる部分ですがグッと飲み込んで助かることに集中しているのは彼らのいい部分ではあったと思います。
とはいえ善行積むのには遅すぎましたが。
日頃の行い、善行の有無、お天道様はそれを見て助ける人間を決めているんだよそう言われているような内容のストーリーだと感じました。
“思いやり”
こんな馬鹿騒ぎする仲間の中でも1人だけまともな感性の持ち主がいます。
それが主人公であるナット。
彼女は他の友人と違って駄目なところは諌めようとするお堅い性格、
そしてトム曰く“人のため”に動かすぎていいように使われているだけと言われるような性格でもあります。
ナットはそれを“思いやり”と言いますが、こういう性格や姿勢はハメを外している場ではどうしてもどこか浮いてしまう部分ではあります。
ですが、この映画ではその日頃の“思いやり”が各々の生死を分ける大きなポイントにもなっていたように感じます。
まず物語の開始でナットは物乞いの男性にお金を恵みます。
その際にその男性から足を失った経緯、そしてサメへの警告を聞きます。
後のことを考えるとこれは1つの啓示でもあったかのような警告。
その後も友人達の水上バイクの窃盗などを咎めて止めようとするものの結果としては雰囲気に流されてしまい彼女も先の警告を無視して共に沖まで行ってしまう。
この警告を結果として無視する形になってしまったのがナットも痛い目を見てしまった要因なるわけですね。
ですがナットだけはこの映画で唯一生き残ることが出来ます。
これはやはりストーリーを見ていても善行の違い、徳の積み方ともいうのでしょうか、他とは明らかに運が違います。
実際タイラーなどは仲間のために1人バイクで沖に出る途中にすれ違ったヨットにまで泳いで助けに出るという善行を行います。
それが功を奏してか最初のサメの出現時には彼だけは襲われない、しかも広い海の中でヨットを見つけることにも成功するそんな運の良さを見せつけます。
しかし運の良さもそこまででサメに遭遇し、ヨットに助けを求めても音楽を聴いていて声が届かない。
やはり普段の行いの違いが出たのかここで見放されてしまいます。
逆にナットが同じように夜に見えた50メートル先の光に泳いでも襲われることはない、
そしてバイクを直すために救命胴衣を取りに行った際に襲われても彼女だけは返り討ちにして生還します。
最後のチェイスもギリギリで岩を抜けてサメに食われずに済むなど、
普段から“人のため”に“思いやり”を持って行動していた彼女に天が味方したかのような展開が終始続きました。
普段であれば話の都合による主人公補正と片付けるところですが、
他の友人達の振る舞いの中でナットだけは正しくあろうとしたのを見ると、
まるで何かを理由に彼女を助けようとしてるようにも見えるのです。
それがやはり普段の“思いやり”の差、そこで運命が分かれたように感じましたね。
リア充なパリピが悪いのでは決してないのです。
マナーを守らず人の迷惑を顧みない“思いやり”の無さが悪い。
そんなことをサメで突きつけてくるかのような内容でした。
普通なサバイバル
海の上で孤立してサメに付き纏われるという内容。
サメ映画の中だとロスト・バケーションが近い内容でしょうか。
あちらよりも沖に出ているためこっちの方がきつい状況かもしれません。
岸が目の前にあるのに孤立して近づけないのと、
岸も見えない沖で仲間と孤立するのがどっちが苦しそうかは意見の分かれるところでしょうが。
こちらもどちらかというとサメよりサバイバルがメインです。
というか沖でバイクの上で5人が孤立というサメがいようがいまいが苦しい状況であり、サメのせいでより絶望的になっているという感じですので実はサメだけで苦しいわけではないです。
絶望に絶望足したらもっと絶望じゃん?みたいな贅沢セットですね。
そのサバイバルも沖の上で孤立しているとか基本的に何か出来るという訳でもない状況なので、
状況はもちろん物理的にも文字通り流されるままといった感じでした。
5人という複数人で遭難、しかもバイクの定員は3人までということで仲間割れが起きて事態の悪化というのが想像する内容でしょうが、
そういうのは何だかんだで仲間思いな面子のために無く、サメが仕事して早々にこの問題は解決?してしまいます。
サバイバルという意味では特別な内容ではなかったかなと思いますね。
ちなみに邦題は48アワーズと書かれていますが作中経過時間はそこまで絶対にいってないです。
というかいっていたら脱水症状で全滅です。
邦題班は別映画の邦題パロディやるにしても内容くらいはちゃんと見よう!
粘着質なサメ
みんな大好きなサメ。
今回のサメはとてもとても粘着質です。(サメ映画のサメはみんなそんなもんですが)
出てくるサメはホホジロザメ。
ジョーズなどでもお馴染みですね。
ともかくそんなしつこく周りに居続ける意味ある?というくらいしつこいです。
もしかしたら同じ個体じゃない可能性も考えられますが。
性質としては出番は少なめですが、しっかり仕事するタイプ。
溜めに溜めてグバッと!いくので襲われるまでの緊張感は分かっていても中々のものでしたね。
特にいい仕事、いい演出したのはタイラーの時。タイラーが1人助けを呼びにいく際に出てくるのですがこの時は襲わずにナット達の方を襲う。
その後に助けのヨットを見つけた際に食うと英雄となり得た存在をここまで溜めて演出するのはいい仕事してました。
ゴア表現的には連れ去るのがメインなのでマイルドかなぁと思ったら、
ミリーの時だけはバイクにしがみついた下半身をまず持っていくとここだけ表現が加速してましたね。
サメ的には浮気はそこまで罪になるのか…
容赦なく食いちぎり最後まで倒せず終わるというのもあり、
久しぶりにネタではなく真っ当なサメで脅威度高いサメを見た気がします。
まとめ
とてもいいサメ映画でした。
善行の違いという主人公補正に説明つけているかのような内容も良かったですし、
何よりもネタに走ってないのがいいですね。
仲間割れという足の引っ張りによる事態の悪化がなく真っ当に状況とサメと向き合っていると。
ちゃんと真面目にサメが怖い、話にネタ要素がない、これだけで貴重なサメ映画だと思います。
サメ映画という枠組みで真面目で面白いのは貴重ですのでサメ映画をおすすめするならいい1作ですよ。
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