【映画】先入観を捨てろ! CHASE チェイス 猛追 ネタバレあり感想

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CHASE/チェイス 猛追
(C)2022 CHASE FILM NEVADA, LLC ALL RIGHTS RESERVED

製作国

アメリカ

監督
ブライアン・グッドマン
脚本
マーク・フライドマン
出演者
ジェラルド・バトラー
ジェイミー・アレクサンダー
ラッセル・ホーンズビー
イーサン・エンブリー
エミリー・ブリンクス
ビリー・バーンズ

今回は行方不明となった妻を追う夫の執念が見える映画CHASE チェイス 猛追(原題:Last Seen Alive)感想です。

蓋を開けてみると内容はすごいシンプル、しかし人が持っている先入観のせいでこちらが真実が曇らされて勝手に頭の中で事件を複雑化させてしまうという面白い構成の物語でした。

ジェラルド・バトラーの演技と徐々に緊迫感が伝わってるかのようなBGMで、自分はすっかり穿った見方をしてこのシンプルなはずの物語にのめり込んでしまいましたよ。

ジャンルはアクションで上映時間は約95分となります。

ここに注目

先入観により穿った見方をしてシンプルなはずの物語に騙されてしまう構成

執念だけで強すぎる夫ウィルの大暴走

あらすじ

ルール無視!スピード無視!!暴力上等!!!血の気の多い【暴走男】が犯罪組織をたったひとりで追い詰める!
ウィルは成功したビジネスマン。妻リサを実家に送り届ける途中に立ち寄ったガソリンスタンドで、突如リサが姿を消してしまう。本能で誘拐だと悟ったウィルは警察に通報し捜索を依頼するが、その粗暴な態度から逆にウィルのDVや犯行を疑われる。しかし、防犯カメラでリサに親しく話しかける男の存在が・・・ウィルは警察の捜査を待てず、ひとりでリサを誘拐した犯罪組織を追い詰めていくー!

Rakuten TVより
FilmIsNow Movie Trailers Internationalより

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登場人物

ウィル・スパン

リサの夫で不動産開発のビジネスマン

妻のリサの実家に向かう道中のガソリンスタンドで行方不明になったリサを探すために奔走する。

リサ・スパン

ウィルの夫

彼女の問題でウィルに別居を申し出て実家に向かう道中のガソリンスタンドで買い物中に行方不明となる

ロイ・パターソン

行方不明となったリサの事件の担当についた刑事

ナックルズ

リサの実家が以前に利用していた便利屋で名前はピート・ダニエルズ

リサの同級生であり幼なじみで彼女が行方不明となる直前に声を掛けていた

オスカー

ウィル達が立ち寄ったガソリンスタンドの店員

リサの行方不明の件で監視カメラの提供を求められるが故障中だと嘘をつく

フランク

ナックルズの知り合いでリタの行方不明の事件に関わっていると目される男

行方不明となった妻を探す夫の執念の物語

行方不明となった妻を探すために単身で調査をする夫という本作。

CHASE チェイス 猛追
(C)2022 CHASE FILM NEVADA, LLC ALL RIGHTS RESERVED

これだけ聞くとすごいシンプルな内容に聞こえ、実際に最後まで見てみるととてもシンプルな結末に落ち着きます。

何ですが与えられる情報と登場人物の振る舞いでこちらに色々な可能性の疑いを考えさせてくるという内容になっているのです。

夫のウィルの振る舞いと妻のリサの過去の情報、この2つでとにかくこの行方不明事件に対して観客を穿った見方をするように誘導してきます。

そして事件を担当する刑事のロイの質問が観客の疑いとリンクするような質問でこちらの考えを裏付けるようになっているんですね。

実際に結末まで見るとすげえシンプルだな!となること間違い無しなんですが、
とにかくウィルの執念の描写というか演じるジェラルド・バトラーの演技が完全にこちらの目を曇らせにきています。

ただこれのおかげでただのシンプルな物語が面白くなったのも確か。
不動産開発のビジネスマンでしかない男が1つの大きな組織犯罪を潰すとこまで行ってしまうのは正に執念(というか愛?)の力と言えない物語でしたね。

バックボーンなんて何もないのに凄すぎる。

先入観の活かし方

CHASE チェイス 猛追
(C)2022 CHASE FILM NEVADA, LLC ALL RIGHTS RESERVED

この映画はとにかく人の先入観というか固定観念というかそういうのを活かして面白くしている映画です。

その先入観を植え付けてくるのが夫のウィルの振る舞いとリサの過去と夫婦間の別居の話。

まずは夫のウィル、妻のリサがガソリンスタンド急に姿を消して行方不明になったとみるや、とにかく余裕がなくなり感情的な振る舞いを多くするのです。

それもかなりの過激な手段、オスカーが防犯カメラの件で嘘をついていると分かるや否や相手に暴力を振るってまでも無理矢理カメラの映像を確保したり、
その映像に映っていて男の情報を知るや否やその男のもとに乗り込みやっぱり揉み合いになって縛り付けてトランクに詰めてリサの居場所まで連れて行こうとするなど、
警察に連絡して疑われた後は独断専行でこれらの行動をすると、妻のリサに対して異常な執着心があるように見えるんですね。

警察からは形式的なものに過ぎないとはいえ疑いをかけられ、リサの両親からは好まれていないなど、
これらの描写を見せられたら正直これだけで観客からしたら彼に先入観で疑いを持つようになるのは当然ですよね?

そして次に行方不明となった妻のリサ。

ウィルが描写で疑いを持たせるなら彼女は情報で疑いを持たせる存在です。

彼女は自らウィルに別居の話を申し出ているのですが、これが実はあまり釈然としない理由で
「自分でも何が問題が分からないけど全ての感情が消えているよう、距離を置くことで何か見えるかも」
という正直一方的な理由なのです。

ただこの段階だとウィルの感情の起伏などを見せられているのでその先入観の植え付けで、
どうせウィルに原因があるんでしょ?と考えてしまうのです。

しかし、その後の情報でリサは浮気経験があるけどウィルにはないという情報も出てくるのです。

そして直前に浮気相手だった男からの連絡があるなど、
この描写や情報で植え付けられる先入観でどちらかの自作自演という可能性が頭から離れなくなるんですよね。

特にウィルに関しては序盤でそう思ってしまうのですが、ストーリーが進みリサの情報が明らかになるとその認識がどんどん改められていくのです。

よく考えたら一方的に別居の話をされたにも関わらず妻を愛しているから受け入れて、
そんな彼女が急に行方不明になったのだから感情的に不安定になるのは当然の状況なんだよなと。

しかし、その不安定さで暴力的な行動を取ったり、そもそも映画という媒体だしジャンル的にも何かやばいオチがつくのでは?とかメタな視点、
そういう様々な方向からの先入観でシンプルなはずな話に彩りがついて目を離せなくそして飽きさせない内容になっているんです。

描写を見るとウィルに非があり怪しく見えて、情報を見るとリサに非があり怪しく見えるようになると。

これ正直こういう先入観がなかったらなんだこの普通の話はと思ったでしょうから、自分としてはいい騙され方をしたなと思いましたね。

シンプルすぎる真実

忘れちゃいけない結局のところこの行方不明事件の真実は何だったの?という部分。

後半になると真実が明らかになりますが、まぁこれがとてもシンプル。

リサの幼馴染であるナックルズがリタが資産家のウィルと別居しに帰郷してくるんで、
その際に彼女を誘拐したらウィルから金を巻き上げられるんじゃねと思い彼女を誘拐したという真実です。

何てそのまんまな話なんだ。

自分は上で語ったような先入観で絶対にどっちかの自作自演のオチだよねと予想していたので、見事に誘導に引っかかった形でしたね。

でもその真実が明らかになり自作自演ですらないことが分かると寧ろウィルのヤバさが引き立つようになっていましたね。

リタを誘拐に関わった男フランクは森の中のキャンプでグループで薬を精製しているという危険な男だったんですが、
それをただの不動産開発の男というだけで何のバックボーンもないウィルが銃と身体1つで壊滅まで持っていってしまうのですから。

話的に最後には盛大に派手な物を持ってきたかったのか、
それともウィルの愛の深さの表現なのかは分かりませんが(仕掛ける時にリタの顔を思い浮かぶので多分後者)とんでもないことしていてちょっと笑ってしまいました。

でもジェラルド・バトラーが演じているから変な説得力があるのもまた面白いところです。

冒頭から続く会話でリタは殺害されたと思っていたら監禁されていただけで夫婦は再会して抱き合って終わりとめでたしめでたしな感じですが、
よく考えたら夫婦間の問題は何も解決していないので今後どうなるのか幸せな終わり方なのかはまぁ捉え方次第ですね。

実際にこの夫婦間の問題はウィルの回想やリタの親からの評価を見ているともしかしたら彼にモラハラ的な部分があったのかもしれませんし、
そんなこともなくリタが奔放で不安定な女性というだけかもしれません。

情報が少ないので夫婦間の根本的な問題は理解しきることは難しいですが、
ただ今回の件で色々と互いへの想いを再確認したでしょうからいい方向に進むんだと信じたいですね。

そうじゃなかったら観客は何を見せられたんだとなってしまいますし。

まとめ

正直かなりのめり込んで見ることの出来る映画でした。

問題を抱えている夫婦、そこに行方不明事件となると、夫が激昂して行動していればDVなどを疑ってしまいますし、
妻が浮気をしていれば彼と逃避行しようとしているのでは?と先入観を持ってしまうものだなと。

単純な話にこういう先入観による要素を持っていくことで自作自演なのでは?という単純な予測が立てられ、
その考えを持たされることで最後までのめり込んで見れるんだなと感心しましたよ

緊迫感のある状況の話なので緊張感持って見れますし、何より演技とBGMの良さがありましたからね。

自作自演でもなければ何のバックボーンもないウィルが妻のために行くとこまで行く暴走っぷりも楽しいですし、いい映画でした。


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