【映画】信念と矜持と ザ・ボディガード パーフェクト・エージ ネタバレあり感想【レビュー】

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ザ・ボディガード パーフェクト・エージ
(C)2020 MOTOR FILM STUDIYA, CJSC

製作国

ロシア

監督
ドミトリー・グバレフ
脚本
Elia Korsak
出演者
パヴェル・プリルチニー
キリル・ナギエフ
アレクサンドラ・チェルカソヴ
Yuliya Dzutseva
Vladimir Sychyov

ザ・ボディガード パーフェクト・エージ(原題:Shadow of the Star)を見たので感想書いていきます。

ジャンルはアクションで上映時間は約91分です。

アクションとは書いていますが実際には渋めなドラマがメインです。

あらすじ

最強ボディーガードのサーシャ。完璧な容姿と知性、そして圧倒的な戦闘能力。

ある日、サーシャは何者かに銃撃された傲慢な男性ラッパーを警護をすることになるが、

険悪な関係から次第に愛情が芽生え始める。しかし、男を秘密裏に始末しようする狙撃手の魔の手が迫っていた。

どこまでも知恵が回り、冷酷な暗殺者から逃れる術はないのか。サーシャは究極の戦術で、敵に立ち向かう! 

Amazon商品ページより

登場人物

✔️サーシャ

イリヤのボディガードだがラップは苦手

ソーニャとは友人同士

✔️イリヤ

ネイムの名前で活躍するラッパー

ソーニャの死に心を痛める

✔️ソーニャ

サーシャの友人でネイムの大ファン

自身も詩を書いている

✔️リューバ

イリヤの恋人

✔️ティホン

イリヤのマネージャー

ストーリー感想

1人の少女の死を契機に動き出す殺意

冒頭でネイムの大ファンであるソーニャが貯めたお金で従業員に賄賂を渡してネイムに直接ファンであることを伝えようとするも、
ネイムの彼女リューバに追い出されてしまいます。

心の病を抱えている母との関係で苦しんでおりイリヤのラップを心の支えにしていたソーニャは、
失意の中屋根の上で涙を流しその後足を滑らせ亡くなってしまいます。

これは事故なのですが、自殺と報道され彼女の死の真実は最後まで明らかにならないところは少し寂しさがありますね。

この彼女の死が巡り巡りまくって登場人物達の感情の変化や大きな殺意が生まれていくことになります。

1人はソーニャの友人で彼女を家事手伝いとして雇っていたボディガードのサーシャ。

元々ラップに嫌悪感を持っていましたが、ネイムの来訪当日にソーニャが自殺(ということになっている)もありより嫌悪感を募らせます。

このラップ嫌いには深い理由があるのかなと思いきや本当にただ単に嫌いだっただけっぽいですね。

もう1人は”ネイム”ことイリヤ、彼もまた自身のファンが自身の来訪に合わせて自殺ということで心を痛めます。

さらにマネージャーであるティホンが彼女の死を宣伝として利用しようとしたのにも抵抗を見せます。

ここら辺メインである2人が善良ということをしっかり示したのはいい部分でした

その後イリヤ達がホテルから出た時彼らが狙撃され、何者かに命を狙われることとなります。

現場に一切痕跡を残さず漁った様子もない程の手練れなのに何故か狙撃を外した犯人。

ティホンの依頼でイリヤの護衛として雇われるサーシャ、
ソーニャの死という大きな出来事で交わった2人の関係が始まります。

ストーリー感想(ネタバレあり)

登場人物達の殺意が強すぎる

中盤からはサーシャとイリヤの護衛が始まります。

最初は反目し合う関係性ですが、仕事の護衛をしていくうちに互いの仕事に対する姿勢に信頼を覚えていきます。

後に互いに仕事について語り合いますが、お互い過去に苦労した様子は見せますがあえて深くは掘り下げません。

ここは大人なんだからそれ以前に何かあって当たり前みたいな渋さのある会話で良かったですね。

ソーニャの死もありラップに対してより嫌悪感を持つサーシャでしたが、
イリヤの仕事の姿勢や人となりを知り互いに惹かれていきます。


そして明らかになるイリヤを狙う殺し屋達ですが、
まぁ関係者が全員狙っていたといっても過言じゃないです

最初の1人はリューバ、イリヤの恋人でもありましたが、
ソーニャの死をきっかけによるイリヤの変化と彼女を追い出した負い目で思い詰めて殺し屋を雇っていました。

全ては彼女が契機で始まった話ではありましたが、後に別の殺意の巻き添えで爆死したのは少し可哀想でしたね。

もう1人はティホン。

彼もまたソーニャの死によるイリヤの変化で仕事上のトラブルがあり殺意を抱くこと結果になりました。

荷物に爆弾を入れて届けたり捜査官を懐柔し、ラストに狙撃させるなど少し卑劣なやり方で性格が出ている狙い方でした。

最後がソーニャの兄。

元兵士の狙撃手でソーニャを必ず守ると約束していましたが、彼女の自殺を知り(これは誤解なのですが)イリヤへの報復として命を狙いました。

彼の存在は後半で後出し要素として出されるのでちょっとズルさがある展開ですね。

ラストはイリヤがサーシャを庇って撃たれてちょっと驚く引きをするのですが、ちゃんとハッピーエンドです。

ここで死んでいたらボディガードものとしてどうなのか?となってしまうのでそこはホッとしました。

良かったところ

イリヤのラップ

イリヤのラップの歌詞、これは良かったです。

イリヤ自体が成り上がった境遇のためか自分みたいな底辺野郎にはなかなか刺さる歌詞でした。

さすがに歌詞の内容まるまる出すわけにはいかないですが、ちょっと励まされましたね。

ソーニャの死を巡る同情人物達の心情

今作最大のキーパーソンでしたが、ここはよく出来ていたなと感じましたね。

この映画のストーリー何が起きるにしてもこれが契機になっています。

サーシャとイリヤを繋ぐのも、殺意が生まれたのも全てこれが契機であり、

たった1人、友人とファンという存在を失ったことにより当事者間で大きな流れになっていくのはいい構成でした。

残念なところ

サーシャとイリヤの恋愛

心理描写の過程自体はあるのですが、そこまで関係が深まるほどだったかなとちょっと唐突感は感じました。

無理に恋愛まで持っていかずこの2人の関係だと仕事としての信頼感という形で収まっても良かったんじゃないかなと思いますね。

ただこれはお国柄によって心象が違う気もするのでもしかしたらこっちが異端なのかもしれません。

もう1つは後半のサーシャの行動ですね。

当日のソーニャの行動を知った後のサーシャの行動はプロフェッショナルとしてはちょっと問題のある行動でした。

これはソーニャの友人として、そして惹かれたイリヤに対する信頼感の揺らぎから来るものとは分かってはいるのですが、
そこはプロとして仕事に徹して欲しかったですね

結果としてこの行動が犯人に繋がる情報の手立てになったので結果オーライではあったのですが。

印象的なシーン

ソーニャとイリヤの詩が交わるシーン

おそらくこれがサーシャが最もイリヤに惹かれるきっかけになったシーンになると思います。

自身に新しい曲は求められていないと自虐的に語るイリヤにサーシャが、

狙われてラッキーかもね

人はやりたいことを何でもやっていいはずよ

でも伝わらないと思うから怖い

これをきっかけに自由になったら?

状況を考えると結構とんでもないことを言っているのですが
これをきっかけに新しい詩を書きそれがソーニャの書いた詩とリンクする。

このシーンはドラマとしてどこか美しさを感じるシーンでした。

まとめ

ストーリー的にはアクションよりはドラマ要素が強い映画となっていました。

というよりアクションシーン自体がそもそも少ないですね。

ちょっと構成で勿体ない部分はあるのですが、大人にドラマを楽しみたい方にはうってつけの映画だと思います。

後、イリヤのラップの歌詞はいいのでそこだけでも結構満足感ありますよ。


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