【映画】 テロップで嘘かますのは良くないなぁ!? デンジャラス・ラブアフェア 家主の浮気 感想

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デンジャラス・ラブアフェア 家主の浮気

製作国

アメリカ

監督
リンジー・ハートレイ
脚本
スコット・コレット
出演者
レベル・カーペンター
ローリー・フォーティア
ライアン・フランシス
コディー・バグショー
ジャック・オースティン

今回は不倫現場を目撃してしまったことにより事件に巻き込まれる哀れなシッターの映画、デンジャラス・ラブアフェア 家主の浮気(原題:The Nanny Knows/What Lies Behind Closed Doors?)の感想。

ミステリーとしては怪しい人物、動機が散りばめられていて展開が面白い映画となっています。

何ですが。

ラストの真実に関しては途中のテロップが思いっきり嘘をついたことにより、
犯人を読むことは簡単なんですが、この嘘で確信にまでは至ることが出来ないとちょっとズルいことをやっていたりします。

とはいえ確信に至らないだけで当てることは出来る時点で荒唐無稽ではなくちゃんと作られている証拠ですし、
何より動機の身勝手さとある種の狂気はなかなかの見どころあるミステリーとなっていますよ。

自分勝手な動機は最高だぜ。

ジャンルはスリラーで上映時間は約88分となります。

ここが見どころ!

怪しい人物、動機が散りばめられて目を離せない展開

犯人の動機

あらすじ

偶然にも浮気現場を目撃してしまい、連続殺人事件の渦中へ…!女子大生を脅かす謎の殺人犯は、一体誰!?裕福な家庭のキャリアウーマンが出張している間、彼女の子どもを車で迎えに行き、父親が仕事から帰宅するまで面倒を見るシッターのアルバイトを始めた女子大生。だがその初日、父親の浮気現場を隠れ見てしまう。友人に相談し、浮気現場を見たことは口外しないことにするが、その夜、浮気相手の女性が何者かに殺害される事件が発生。殺された女性は元彼につきまとわれていたというが、果たしてそれは真実なのか?さらには母親とは仲の悪い、子どもの叔母にあたる女性が奇妙な忠告をしてくるなか、またしても新たな殺人が起きてしまう。シッターのアルバイトをする女子大生が危険に晒されるサスペンス・スリラー!

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登場人物

キンバリー・マークス

オールドブリッジ大学で経営と金融を学んでいる女性

子供の頃に母が倒産で苦労したため卒業後はコンサルと地域開発に携わろうと思っている

学費のためにデービス家のベビーシッターのバイトをしたところスティーブンの不倫現場を目撃してしまう

キャロライン・デービス

キンバリーをベビーシッターとして雇ったキャリアウーマン

キンバリーと同じ大学、学部出身で彼女に憧れられる

スティーブン・デービス

キャロラインの夫

彼女の出張に家でセリーナと不倫していたところキンバリーに目撃されてしまう

ジャスパー・デービス

デービス家の息子

人見知り

ゲイブ

キンバリーと同じ大学に通う彼氏

キンバリーから不倫のこと殺人事件のことについて相談されアドバイスを送る

ブリット

ジャスパーの叔母でキャロラインの妹

キンバリーより前に雇われる予定のシッターだったが何らかの理由で解雇になった

キャロライン曰く不安定な妹

セリーナ・ブラウン

スティーブンの不倫相手でジャスパーのスペイン語教師

キンバリーが不倫現場を目撃したその日の夜何者かに殺害される

ニック・ジョンソン

セリーナの元恋人

彼女に暴力を振るっており別れた後も付きまとうストーカー気質暴力を振るっていた

セリーナ殺害の容疑者と目される

マーフィ

ベイシティ署の刑事

セリーナ殺害について捜査しており、キンバリーにも聞き込みに訪れる

ざっくり概要

真面目な学生キンバリーがベビーシッターとして雇われた家で夫の不倫現場を目撃したことにより、奇妙な殺人事件に巻き込まれていく本作。

ざっくりとしたあらすじとしては、

大学で経営と金融を学んでいる学生キンバリー。
彼女は奨学金を使わずに学費を払うためにベビーシッターのバイトの面接を受けようとしていた。

ベビーシッターを探していたのはキャリアウーマンのキャロラインがいるデービス家。
彼女は偶然にもキンバリーと同じ大学、学部出身であった。

キャロラインから仕事の内容を説明されるキンバリー、息子であるジャスパーは日帰りキャンプのために早めに帰宅、夫のスティーブンは午後の帰宅となるため息子を迎えに行き夫の帰りまでシッターを頼まれて欲しいと仕事の説明をされる。

説明の途中で帰宅したジャスパーとスティーブンと交流するキンバリー。
実はキンバリーより前にキャロラインの妹ブリットがシッターとして雇われていたらしいが、
彼女の不安定さからその話はなかったことになったと聞かされる。

シッターを引き受けて帰宅したキンバリーは早速彼氏のゲイブに報告する。
自身の憧れとも言える生活をしているキャロラインに人材の師匠が巡り会えたかもと高揚するキンバリー。

そしてシッター初日、デービス家に入った彼女が目撃したのはスティーブンの不倫現場。
何とかバレずに抜け出したキンバリーであったが動揺しているうちにジャスパーの迎えが遅れ、そしてゲイブとのデートも忘れてしまうと散々な目に。

ゲイブにスティーブンの不倫について相談するキンバリーだったが、
ゲイブは不倫についてはキャロラインに語るのは良くないかもしれないとキンバリーが不倫についてキャロラインに報告するのを制す。

一方で不倫相手であるセリーナはその夜に何者かにつけ回されて殺害されてしまうのであった。

シッターとしてジャスパーと遊んでいたところ、クビになったキャロラインの妹ブリットが現れて彼女に謎の警告をしていく。

そしてデービス家に帰宅したキンバリーとジャスパーの元に警察が訪れる。

昨夜不倫相手であるセリーナが殺害されたことによる聞き込みでキンバリーは情報提供を求められるがスティーブンが現れたこともあり、セリーナを知らないと嘘をついてしまう。

シッターを終えて帰宅するキンバリーは後ろから車に煽り運転をされる。
朝に出会ったブリット、殺人事件、そして煽り運転と連続して続く不可解な出来事にキンバリーはキャロラインに相談する。

キャロラインはブリットについては出会ったらとにかく逃げてくれと忠告する、しかし殺人事件については何知らされておらず、
それはスティーブンがキャロラインに事件について話していないかったことを意味していた…

事件についてゲイブに相談するキンバリー。
ゲイブは警察にウソをついたことはマズイと彼女を諭すが喧嘩別れしてしまう。
それでもゲイブはキンバリーを心配してセリーナとスティーブンについて警察に情報提供をする。

警察がデービス家に再び訪れ、不倫による事情が明らかになったことで亡くなったセリーナの元彼氏ニックの勾留の理由が出来たと語る刑事のマーフィ。

勝手にタレコミをしたゲイブに憤るキンバリー、そしてスティーブンもまたキンバリーが家庭の事情を第三者に話したことについて憤るのであった。

クビになる可能性が高いが次のシッターが見つかるまではと保留されるキンバリー。

事件については1つの目処が立った状況、しかし帰宅したキンバリーの元に謎の人物が侵入しようとしていた…

ざっくりするとこんな感じ。

不倫現場を目撃したその夜に殺人事件が起きて、そのことで何故かキンバリーまでもが巻き込まれていくという流れですね。

何故キンバリーまでもが狙われるのか、目撃者だからか、情報提供者だからか、それともジャスパーのシッターをしているからなのか。

疑わしい人物、疑わしい動機が散見されることにより先が見えなくなるという展開が面白い映画でしたね。

これで最終的にはちゃんと1つの動機に集約されていくのですから分かりやすさがありながらも出来はいい方のミステリーだったんじゃないかなと。

完璧を保つことの怖さ(ネタバレあるよ)

主人公のキンバリーがキャリアウーマンのキャロラインのいるデービス家に彼女の出張中に息子ジャスパーの面倒を見るシッターとして雇われるという流れで始まるストーリー。

このデービス家、見た目は完璧、いい夫、キャリアウーマンの妻、可愛い息子と誰もが憧れる一家と言えるでしょう。

そんな一家を見て偶然にもキャロラインと同じ大学、同じ学部に所属していたキンバリーはキャロラインを人生の師匠に巡り会えたかも!?と感動するわけですよ。

ですが、完璧であろうとも慣れてしまえば不満も出てくるもの、
その完璧の内側に蔓延していたのは夫のスティーブンの不倫という毒。

それをたまたまシッター初日に目撃してしまったキンバリーはこの完璧の裏側に蔓延している毒に巻き込まれていくわけです。

この掴みはなかなかに良かったです。

まずキンバリーがいい子というのがいいですね。

かつて母親が倒産で苦労したため卒業後はコンサルと地域開発に携わろうと思っているという、
経済を学んでいる人間としてかなり真っ当な存在、
そして学費を稼ぐためにシッターをするとこの手の映画なのに真っ当も真っ当、
サボりとかそういうのも無しで好感が持てる人物なのです。

大体この手の映画だと◯ッチだったり不良だったりするもんですが、そんなのが無いため巻き込まれた不憫さが際立つってわけですわ。

人生の師匠と感じるような存在の家で蔓延している毒、
そこに正直に話すべきか、それとも嘘をつき続けるべきか、
毒は感染る物といいますが関わってしまったらそこから逃れられない怖さもしっかりとありました。

そして始まる不倫相手が殺害される殺人事件。

ここからの展開で自分はもう楽しんで引き込まれましたよ。

目撃したその日の夜に殺害される不倫相手、大量に出てくる容疑者。

被害者と不倫しているスティーブン、被害者に別れた後も付きまとう元カレのニック、キンバリーの前にジャスパーのシッターをやる予定だったが辞めさせられた精神不安定なキャロラインの妹のブリット。

疑わしき容疑者が大量に出てきて更には関係ないはずのキンバリーも不審な車に煽られると、ここまでは展開が読めずに楽しかったですよ。

この手の状況で1番最初に考えることといえば各々の目的で動いた結果、上手く噛み合った…なんていうのが良質なミステリーの定番。

実際ニックとスティーブンは殺人を犯す動機がありブリットとスティーブンはキンバリーを脅す動機があるとこの可能性はまぁまぁ高いんじゃない?と思っておりましたよ。

後は大穴でキンバリーの相談に乗る彼氏のゲイブが…なんてパターンとかですよね。

このどちらの予想も見事に外れ…というか途中で何となく犯人は読めるようにはなっています。

事件の被害者も容疑者見えている、なのに不明瞭でモヤがかかったかのようにキンバリーにまで危害が及んでくる…緊張感のある展開作りは上手かったですね。

ちなみにゲイブはめっちゃ良いやつです。

ここにいる全員が犯人ではないとすればもう後は1人、キャロラインですよね。

正直な話、これは途中で読めます。

キャロラインの連絡の演出が明らかに不自然でしたからね。

なのですがそれが確信に至らないのは後で語りますがちょっとした(結構な?)嘘があるから、
ちょっと反則技ですがこれによってキャロラインが犯人かは最後まで確信は持てないようになっていましたね。

要は出張は嘘でキャロラインが殺人事件もキンバリーに対しての煽り運転もキンバリーへの襲撃も起こしていたという結構忙しいことをやっていたという真実ですね。

容疑者以外の第三者による犯行なので話的には動きに自由が効きまくるということで推理という要素では台無しな構成ですが、犯人なのは何となく読めるのでギリギリセーフということで。

そして肝心な彼女の動機、これがこの映画のキモと言ってもいいでしょう。

彼女の動機、それは完璧な家族であるため。

夫の不倫を知った時に“仕事は出来るのに夫を捕まえておけない女”という烙印を押されることを嫌がったからというわけですね。

完璧な存在というのは注目を浴びやすい、実際噂好きな人間には気をつけてとキャロライン本人も言っているので、
こういった他人の奇異の目から自分の築いた物を崩壊させたくなかったからということなわけです。

これだけだと夫や家族に愛情はあるように思えますが、実際は妹ブリットに対する扱いからそこら辺も怪しい物ということも分かります。

ブリットに対しては昔から自分の犯した罪をなすりつけて刑務所に入れて自分の言うことを聞けば保護してやると脅していたという笑えないクズよりな人間であることが分かります。

この時から自分の経歴を築くこと、守ることに固執していて夫や息子に関しては完璧な家族を築いたというトロフィー感覚だったんじゃないかなと自分は推測しております。

ですがまぁ完璧であろうとし続けること、そのために犠牲にした物、
そういった毒はいずれ自分を蝕む物で…最後にはブリットの介入によって逮捕されることと相成るわけです。

正直この映画はキャロラインの映画だなと自分は思っております。

キンバリーは本当に巻き込まれて彼女の計画を崩してしまっただけの存在でしかないんですよね。

それに事件だって極端な話、夫の不倫相手を殺害しただけの話でしかありません。

ですがその動機が完璧を保ち続けようとした人間が行った杜撰な計画となると、深みとまでは言いませんがこの単純な話にどこか彩りも出るというものです。

なのでこの映画は完璧を保とうとして周りを犠牲にしてきた人間が最後は自分が育てた周りからの毒にやられる映画。

何一つ周りに対しての弁解もなく逮捕されていくのにはむしろ清々しさすら感じる映画でしたね。

それはそれとしてキャロラインのイカれっぷりのおかげで爽やかに終わっているけど不倫したことは良くないぞスティーブン。

この映画の嘘

キャロラインが犯人ということで途中で読めはするのに最後まで確信に至らないと言う話を上でしました。

その理由なのですが映画のテロップが思いっきり嘘をつくのです。

事件が起きてからキャロラインが定期的な連絡を取ってくるのですが、ここで出てくるテロップで思いっきり他国の名前だったり土地の名前を出すのですよ。

彼女が犯人というなら例えば顔だけ映してどこにいるかは不明瞭にするとか、
彼女の姿をはっきりと映してもどこにいるかは彼女の自己申告だけというなら疑いが確信に変わるのですが。

流石にテロップに嘘をつかれたら確信出来ないですわ。

これによって最後まで読めないので面白くなっていたのは確かなんですが、ミステリーとしては反則技ではありますよね。

事件の後の電話でフィラデルフィアとかテロップ出されたらもう無理ですわ。

まぁでもこれもきっと彼女の“完璧”が成せる技。

“完璧”ともなればテロップ使ってこっちまできっと騙せるのでしょう、多分。

まとめ

“完璧”というものの大変さと烏滸がましさ、そしてそこから築かれる毒をよく描いていた映画でしたね。

割と単純な事件をここまで面白くしたのはキャロラインの行動と動機によるものといっても過言ではないでしょう。

キンバリーが動機という部分では蚊帳の外になってしまったのはちょっと可哀想でしたが、
彼女の善性はキャロラインのような女性を目指しながらもそれとは違う道に歩んでいきそうと思わせる反証的な存在にもなっていると思ったので必要な存在ではありました。

それにしても“完璧”を築き保つことに固執することで蓄積される毒というのは怖いですね。
例えキャロラインが善人であったとしても周囲の嫉妬や過度な関心は毒になるでしょうし、
負け惜しみみたいですがこの手のことに縁がない人生で良かったと少し思いましたよ。

ミステリーとしては反則もありますがそのおかげで最後まで読めませんし、動機のおかげで彩りや個性も出た。

“完璧”とまではいかない映画ですが、それが少し崩れている方が楽しいということも良く分かる映画だと思いますよ。

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